転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1339163106/ 1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/08(金) 22:45:06 ID:/2dS/qpQ 男「・・・転勤・・ですか?」 上司「ああ、新しくできた13支部へ行ってもらいたい」 男「・・・・・はぁ、断ることは・・・」 上司「できん。さっさといけ」 男「・・・はぁ」ペコリ 同僚「「転勤おめでとう!!!」」パァン! 男(こいつら…。本当は“分かってる”くせに…) 男「・・・ありがとうございます」 同僚1「いやー、お前が怪我してから、死んだ魚のような目をしてたからさー」ニヤニヤ 同僚2「俺ら心配してたんだぜ? だから少し成績落ちちまった」ハハハ 同僚3「お前がいなくなって最初は不安だったけど、案外いけるし、こっちの心配はしなくていいぞ」ギャハハ 男「・・・・・・・」グッ 同僚1「さ、俺ら魔法闘技の実業団は新設の支部の方と違って大忙しなんだっ! さっさと行くぞ!!」ニマァ 同僚「「はーい!」」タッタッタ 男「・・・・・・・・・・くそっ!!」バァン 2: /2dS/qpQ 2012/06/08(金) 22:55:42 ID:/2dS/qpQ ―――帰り道。 男(…思えば、魔法闘技しかしてこなかった) 男「・・・・・」テクテクテク… 男(中学では地区大会で優勝した) 男(高校では世界大会の補欠になった。・・・一度も出なかったけど) 男(その後、大手魔法企業“MG社”の実業団に入り、先輩達を押しのけてエースになった俺は人生の頂点を歩いていた・・・と、思っていた) 男「・・・・・強かったなぁ俺」 男(魔法と格闘技の融合スポーツである魔法闘技では、どいつも魔法か闘技かどちらかに特化していた。・・・が、俺は万能を追い求め、追い続けた) 男「なんで怪我なんかするんだよ・・・」テクテク… 男(練習中、急な立ちくらみで俺は倒れた。そして、倒れ方が悪かったのか、右足の靭帯が切れた) 男「・・・は、はははは、ははははは!!」タチドマリッ 3: /2dS/qpQ 2012/06/08(金) 23:01:25 ID:/2dS/qpQ 男「・・・・・・・家帰ろう・・・」テクテクテク 男(疲れた・・・本当に、疲れた・・・) 男「もう帰ろう」 男(13課がどういうところであれ、俺に仕事ができるとは思えない・・・) 男(明日退職届出そう・・・) 男「あ、でも荷物あっちあるのか・・・」ハァ 男「ほんと、魔法闘技以外は優柔不断だし、バカだよなぁ俺…」オチコミッ 4: /2dS/qpQ 2012/06/08(金) 23:10:52 ID:/2dS/qpQ ―――翌日。 男「・・・・・ここか」タクシー 男(国の最南端じゃねぇか・・・。こんな田舎というより最早辺境の地で一体どんな仕事があるってんだよ) 窓際族「やぁ、キミだね。僕と一緒に仕事をするパートナーは」ニコニコ 男「・・・あ、よろしくお願いします」ペコリ 窓際族「いやいや、確かに僕とキミは親と子ほど年の差がありそうだけど、僕達は同じ“平社員”だ。敬語もいらないよ」ニコッ 男「・・・いえ・・・これがスタンダードなので・・・」 男(容姿は4、50代。“使えないオーラ”がすごくて今までなら関わるのを避けただろう・・・) 男(が、俺もすでに同じ場所に立っているのだ。他人から見れば俺もこの人も・・・) 窓際族「さ、案内するよ」ニコニコ 5: /2dS/qpQ 2012/06/08(金) 23:26:51 ID:/2dS/qpQ 窓際族「この施設は外から見たら山のように大きいけど、部屋数は知れてる。“仕事場”が数部屋と、僕らの寝る場所があるだけだ」ニコリ 男「先に仕事場を案内してもらっていいですか?」 窓際族「さすが、実業団のエリート! やる気満々だね」 男「・・・!? よ、よく知っていますね」プルプルプル… 窓際族「そりゃあ、会社のことだからね。キミが五人抜きしたあの日は興奮で寝れなかったよ」コウフン! 男「・・・・・その話あんましたくないっす」 窓際族「・・・あ、ああ! そうだよね! “怪我”をして三軍落ちなんて楽しい話じゃなかったよね!」ゴメンネッ 男(ああ、さっそく分かってしまった。・・・この人、“他人の心の機微”を読めないんだ。相手が不快になることを平気で言ってしまうんだろうな)イライラ 窓際族「つ、着いたよっ! ここが僕らの仕事場だっ」ジャーン 続きを読む