転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1558357868/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/05/20(月) 22:11:08.56 ID:WM+ZVD1i0 「第3位は・・・・・・夢見りあむさんです!」 それが聞こえた時、頭の中が真っ白になった。 どう言えばいいのか分からない、もやもやした感情が広がった。 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/05/20(月) 22:14:07.61 ID:WM+ZVD1i0 まばらな拍手が響く。 歓声が起こるでもなく、かといってブーイングされるでもなく。 少なくとも歓迎はされていない。 当然だろう。 彼女は活動を始めて僅か3ヶ月。 こんなぽっと出のド新人が、しかもアイドルを舐めきったような 発言を繰り返しているような小娘が、誰もが夢見るシンデレラガール総選挙第3位に選ばれたのだ。 3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/05/20(月) 22:15:53.10 ID:WM+ZVD1i0 「りあむさん、一言お願いします!」 震える手でマイクを受け取り、彼女は初めて顔を上げた。 大勢のアイドルファンが一斉に彼女を見つめている。 前列に並ぶ男性客と目が合った。 見世物小屋の猿でも眺めるような、気味の悪い笑みを浮かべていた。 思わず目を逸らした先で、女性客と目が合った。 悪鬼をも思わせる表情で、涙を流し彼女を睨んでいた。 数百、数千の瞳に囲まれ、彼女はアイドルになる前の事を思い出していた。 4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/05/20(月) 22:17:24.53 ID:WM+ZVD1i0 テレビの中で、アイドルが踊っていた。 本当のシンデレラのようにキラキラと輝く彼女たちを、齧り付くように眺めていた。 LIVE会場にも足を運ぶようになった。 生で見るアイドルは美しく、可愛く、尊かった。 生きるのがどれだけ辛くても、アイドルがいれば少し幸せになれる。 彼女の憧れ・・・いや、憧れることすらおこがましいと思っていた。 自分がそのアイドルにスカウトされた時は心の底から驚いたものだ。 続きを読む