転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1499440935/ 1: ◆t6XRmXGL7/QM 2017/07/08(土) 00:22:16.24 ID:J2BrVGck0 モバマスSS モバPとアーニャ 日本語成分多め(ロシア語わからん) 宇宙物理を大きく捏造 理不尽END注意 2: ◆t6XRmXGL7/QM 2017/07/08(土) 00:23:35.10 ID:J2BrVGck0 6月中旬。梅雨入り宣言をしたはずの都内は未だ雨の気配を見せず、太陽は正午に至ろうとしていた都内を灼いている。 半袖、開襟、スーツを脱いでいてもこの暑さを逃すことができず、この外回りの過酷さに拍車をかけていた。 ズボンだけでも丈が短くできればだいぶ変わるのにな、と、俺は現代日本を縛り付けている暗黙のルール──働く男はスーツを着なくてはならない──を恨んだ。 恨んだって仕方ないのだが、そういうふうに何かに対してネガティヴな感情をぶつけていないと暑さでどうにかなってしまいそうだったから。 最寄りに列車が差し掛かる。 この時間帯、この線の電車の中にはこの駅で降りる人間が多い。俺はその駅から降りて、職場にとんぼ返った。 3: ◆t6XRmXGL7/QM 2017/07/08(土) 00:24:28.12 ID:J2BrVGck0 蒸し焼きにされたような熱い体を、ビルのエントランスのよく効いた空調が冷やしてくれる。 本当、外もこれくらい涼しければなとは思うのだが。 実際冬になればこれよりも『涼しく』なるというのに、ヒトはそれに対しても文句を言うのだから勝手なものである。 誰に充てるでもない自嘲めいた冗談を頭の中で笑い飛ばしながら、俺は自身の所属する部署の階のボタンを押す。 耳が突っ張る感覚がするたびに耳抜きをしながら(随分慣れたものだ)エレベータの表示ランプがが目的の階に近づくのをぼんやりと眺めていた。 事務所の階にたどり着いた。そんな俺を出迎えたのは。 「プロデューサー、お帰りなさい」 「あぁ、ただいま、アーニャ」 この事務所のアイドルである、アナスタシアだった。 4: ◆t6XRmXGL7/QM 2017/07/08(土) 00:25:08.58 ID:J2BrVGck0 「外、ひどく暑いですね」 「ああ。うちも早いところ私服通勤オッケーにしてくれねーかなー」 「他の部署では、私服の人、よく見かけます」 「そうなんだよなー。うちの部署がなー」 なんて話をしていたら後ろからぬっと部長が現れた。 「うちの部署がどうかしたのかね」 「うおっとっ、お、お疲れ様です部長」 「お疲れ様です」 「どうも、アナスタシアさん。〇〇君、書類、まとめといたからね」 「ありがとうございます」 「じゃ。外回りご苦労。ゆっくり休みなさい」 「あ、はい……」 「あっ、それと」 「はいっ、なんでしょう!」 「うちの部署は当分私服での通勤はナシだからね」 「……そうですか」 「それじゃ」 部長は奥へ消えていった。 「……ですって、プロデューサー」 「はぁぁ~……」 俺はうなだれた。 続きを読む