転載元 : http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1555689899/ 1: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2019/04/20(土) 01:04:59.95 ID:4AM1vvPb 少し遅刻の真姫ちゃん誕生日祝いSS ほのまき、短編 2: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2019/04/20(土) 01:05:43.07 ID:4AM1vvPb 真姫「あぁ! もう!」 深夜。 叫びながら滅茶苦茶にピアノをかき鳴らす。 半径数百メートルに住宅なんてない立地、金に物をいわせた防音室。 三年目に入った大学生活の途中。 一時的に帰ってきた実家で両親と大喧嘩した私は、部屋に引きこもって自らが奏でる不協和音の中に身を置く。 3: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2019/04/20(土) 01:06:42.24 ID:4AM1vvPb ずっと、自分を押し殺してきた。 そうすることでしか生きられない、両親の期待に応えなければならないと。 決められたレールから外れることはなく、ただ過ごして、二十歳も超えて。 そんな私に、突然降って湧いたようにやってきた話。 μ’s時代に作曲した曲を聴いて気に入ったというある大物からの作曲依頼。 たぶん、そこまで期待されているわけじゃなかった。 ただ話題になればいい、その程度のこと。それを理解しながらも、音楽に未練のあった私は引き受けた。 その時点では両親も何も言わなかったし、本業の医学部生としての生活に支障がない程度なら、むしろいいガス抜きになると、応援してくれたぐらい。 4: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2019/04/20(土) 01:07:44.74 ID:4AM1vvPb だけど、事態は予想もしていなかった方向へ向かった。 信じがたいことだけど、私の作った曲が高い評価を受けてしまったのだ。 慌ただしくなる周囲、少しずつ依頼が増えて、仕事の量も当然多くなる。 そうなると、本来優先すべきことより自分の好きな事――ピアノを優先してしまう自分が居て。 次第に、食べていくには困らない程度の収入と、今後もそれを継続できる程度の確信を得ていく。 医者になりたいという気持ちは、嘘じゃない。両親の期待に応えたいというのも。 だけど、やっぱりそれ以上に好きなのは音楽で。 どちらかを選ぶとしたら、間違いなく後者。 私は決断して、両親に話した。 続きを読む