転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461330106/ 1 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 2016/04/22(金) 22:01:46.63 ID:Q7ADJgov0 みほ「ごめんね、エリカさん。さようなら、逸見さん」【ガルパンSS】 の続きです。 黒い森、闇の世の夢、峰に姫 みほが黒森峰を去ったあとのお話です。 前スレとは関係ありません。 前スレ:【R-18】ノンナ「カチューシャアヘ顔ダブルピース日記」【ガルパンSS】 2 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 2016/04/22(金) 22:03:46.50 ID:Q7ADJgov0 ■ 薄暗い部屋で目を覚ました私が最初に感じたのは、少しの頭痛と気だるさだった。 あの子がいなくなった次の日。 長く雨にあたっていた、いいや。浸っていたせいで風邪を引いてしまった私はこうしてベッドでおとなしくしていた。 春休みということで寮にいた生徒はそれぞれ実家に帰ってしまった。 風邪のせいではないが、春休みが終わるまで、私だけは寮に残ることを決めた。 今は帰る気分でもないし、何かする気分でもないし、それに。 もう、どうでもよかったから。 私は本当にあの子がいないとダメなんだ。 ダメなのに、あの子が去るのを止められなかった。 でもそれは自分のためなのではないか。 自分のため。あの子にいてほしいのも、結局は自分のためなのだ。 自分の中にある大切なモノが、独りでに去っていく。 それは、許しがたい。 だから、私はこんな私が嫌いだった。 3 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 2016/04/22(金) 22:08:08.78 ID:Q7ADJgov0 誰もいない場所で、風邪を引いたまま誰の看病も受けずに一人で独りでいるなんて、孤独よね。 あの子を失った辛さにも拍車がかかるというものだ。 と、強がってみるものの、依然、一人ベッドで布団を頭から被って世界にただ一人残されたような、そんな気分だった。 これ以外の最悪なんて言葉、どこにあるというのか。 少なくとも、今までの私の人生では一度も無かった。 私という日陰が似合うような人間を、照らしてくれる太陽がいなくなってしまった。 そうして立てなくなってしまった人間に、もう生きる意味なんて無かった。 しばらく虚空を見つめ、それから布団から顔だけ出して、壁掛け時計を見やると13時を過ぎたところだった。 あの子は、今頃どこかで昼食でも取っているのだろうか。 風邪を引いてはいないか、道に迷っていないだろうか。 どんなキモチなのだろうか。 今、私のことをどう思っているの? ……あぁ、やってしまった。 4 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 2016/04/22(金) 22:08:39.52 ID:Q7ADJgov0 瞬間、あの子で思考がいっぱいになった。 頭の中に顔が浮かび上がり、耳元で声がする。 そうしてフラッシュバックする思い出。 初めて喋った日のこと、付き合いだしたあの教室、遊びに出かけた休日、放課後の密会、そしてキスした日のこと。 昨日もあれだけ泣いたのに。 まだ泣ける。息が詰まる。口角が引きつり涙腺が熱くなる。 たちまち涙はあふれ、枕を濡らす。 鼻息は荒く、動悸は治まらない。 ゾクリと、一度背中が震えた。 寒い、寒い。 カラダが冷えるのか、ココロが冷えるのか。 もしくはその両方か。 私はベッドの中で丸く、膝を抱えてなるべく小さく。 悲しみにくれた、私の存在がこの世界から消えますように。 そう願いながら、さめざめと泣いた。 続きを読む