転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1479308333/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/16(水) 23:58:54.28 ID:+LzV5In80 小町「ぬくもり」 小町「ぬくもり」 続 の続き 朝。残り少ない貴重な冬休みを満喫していた。マッ缶を飲みながら何も考えずボーっとしているこの時間。 缶を軽く左右に振り残量を確認。あと半分ほどだろうか。 缶を口に寄せ、少量口に含む。甘さが口に広がりそれを堪能した後、飲み干す。 「ふー……」 冬休み短かったなぁ…、ほとんど家で過ごしたが。こんな日々がいつまでも続いてほしい。 心の中でそんな自分勝手なことを考えていると階段を勢いよく降りる音が聞こえてきた 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/17(木) 00:00:25.42 ID:GrHOvZzd0 「はいちゅうもーーーく」 「……」 愛しの妹が腰に手を添え立っている。 すました顔しやがって…!昨日ベッドであれだけ乱れていたくせに…!!(寝相) 「お兄ちゃんはどうせ今日も暇なので小町の買い物に付き合ってください」 「おい勝手に俺が暇だって決めつけんなよ、しかも『も』ってなんだよ」 いや間違ってないんですけどね?でももうちょっと優しく言ってくれてもいいんじゃないですかね? 俺が言い返さない事を見ると小町はウンウンと頷きながら満足げな顔をする。可愛いから許す。可愛いは正義。 つまり小町=正義。やだうちの妹どっかの戦隊ヒーローの一員としてテレビに出るんじゃないだろうか。色は黄色だな。 「はい決定!お昼は小町がつくるから家で食べていこ」 「はいはい」 小町は準備をしにか2階へあがっていった。俺も先に済ませておくか。 どうやら今日は忙しい一日になりそうだ。 3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/17(木) 00:01:41.23 ID:GrHOvZzd0 「「御馳走様でした」」 昼は小町特製ハートマーク付オムライス。お腹も胸もいっぱいになりました。 「よし!早速行くよお兄ちゃん!」 「いや着替えるからちょっと待て、お前早すぎ」 俺が台所から帰ってきたら既に着替え終わってるとかどんなスピードしてんの?頼れる兄貴なの?いや兄貴は俺じゃねえか。 脳内で一人漫才をしていると小町から催促の声がかかる。 「玄関で待ってるから早くしてね?あと手袋はつけてきちゃ駄目だよ!」 4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/17(木) 00:02:10.45 ID:GrHOvZzd0 「おっそーい!」 某コレクションゲームの駆逐艦かお前は。 そういえば小町に似てるキャラがいたような。そのキャラは関西弁だった気が。どうでもいいけど方言女子っていいよね。 「何気持ち悪い顔してるの?早くいこ」 さらっと酷いことを言われた気がするが気にしないでおこう。 小町が扉を開けると同時に冷たい風が入ってくる。思わず顔をしかめてしまうほどだ。 「うぅ~寒いね~」 「こんな日に手袋つけないとか何の罰ゲームだよ…」 ポケットに突っ込んでいた手が冷え始める。 それを紛らわすためマフラーに顔を埋めると、ポケットに何かが入り込みそれが俺の左手を包み込んだ。 「……お兄ちゃんが寒そうだから暖めてあげる」 手袋禁止を聞かされた時は驚いたが狙いはこれか。 小町は寒さか照れか、頬を赤く染め前を向いたまま目線だけをこちらに向けている。 「……どーも」 マフラーから口を出し、白く染まる息を吐きながら俺は返事をした。 続きを読む