転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1552749037/ 6: ◆WZ.cGtUvzg 2019/03/17(日) 00:36:33.39 ID:PUv0mZcYO 春の始まりの3月の空は、青く澄んでいた。 秋田の寒さと比べたら、もう春真っ盛りみたいなものですよねぇ。 喜多日菜子はクリーム色のコートの前を開けて、軽やかに事務所への道を進んでいた。 軽くノックをして、事務所のドアを開け放った日菜子の前にはいつもの光景が広がっていた。 【喜多日菜子】 8: ◆WZ.cGtUvzg 2019/03/17(日) 00:39:26.82 ID:PUv0mZcYO 日菜子「おはようございます~」 P「お、日菜子おはよう! 今日はグラビアの撮影だったな」 日菜子「はい~。少し恥ずかしいですけど、これで王子様が日菜子に気付いてくれるなら……むふふ♪」 P「相変わらずだな、日菜子は。それじゃ準備をしたら俺が車で送るから――っと」トゥルルルル 日菜子「お電話ですねぇ」 P「ちょっと待っててくれな。『はい、パッションプロダクションです。はい、え、はい……』」 日菜子「?」 P「『……はい、分かりました。いえ、大丈夫です。ではまた後で』……ふぅ」 日菜子「Pさん、どうかしたんですかぁ?」 P「あー、すまん日菜子!」 9: ◆WZ.cGtUvzg 2019/03/17(日) 00:41:48.89 ID:PUv0mZcYO ~プロデューサー説明中~ P「と言うわけで、先方の手違いでスタジオがダブルブッキングしてしまったんだ」 日菜子「それで夕方に時間変更、というわけなんですねぇ」 P「すまんな、早めに来てもらったのに」 日菜子「いいえ、仕方ないですよぉ。むふ、それじゃあ、それまでプロデューサーさんとデートでも……♪」 P「ほんとすまん、その時間は別の子に付き添う予定があってだな」 日菜子「じゃあ日菜子、一人で行けば良いんですか?」 P「いや、そのスタジオは遠い上にアクセスが悪い。だから今から俺が車で送って、日菜子には向こうで少し待ってもらう形になるかな」 日菜子「分かりましたぁ」 P「帰りはちゃんと迎えに行くから、頼んだぞ」 10: ◆WZ.cGtUvzg 2019/03/17(日) 00:44:43.60 ID:PUv0mZcYO 日菜子「ここがスタジオですね。控室は用意してもらっているみたいですから、そこで待ってましょう~」 ディレクター「お、喜多ちゃん今日はごめんね。じゃあここが控室なんだが」 日菜子「あれ? 日菜子の名前の隣に、『佐久間まゆ様』の張り紙が……」 ディレクター「狭いスタジオで控室に空きが無くてね。彼女はもう少しした帰ると思うので、それまで一緒に頼むよ」 日菜子「はい、分かりました~」 ディレクター「佐久間ちゃんには話を通してあるから、よろしくねー」 続きを読む