転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1453642003/ 1: いいいい ◆CcW4KPdZhU 2016/01/24(日) 22:26:43.20 ID:04nqtuOFO 八幡(寒い...超寒い。やっぱ冬に外に出るもんじゃないよ) 陽乃「比企谷くん、ボーっとしてどうしたの? ...あ、いつものことか~」 八幡「...ホント、雪ノ下さんは口が減りませんね」 八幡(...つっても、この人がいるおかげで左手だけはあったかいけど) 陽乃「言い方が刺々しいな~」 八幡「雪ノ下さんの言い方が強かったんで」 陽乃「とか何とか言いつつも、握ってる手は離さないでいてくれるよね」 八幡「...俺も寒くなっちゃうんで」 陽乃「おやおや。私を待ってる間、それと移動時間に使うために、私があげた手袋持ってるんじゃないの?」 八幡「...」 陽乃「突然黙っちゃって~。あ、そんなに私のこと好きなの?」 八幡(いつもこの人はこうやって俺を弄ろうとする。だから...) 八幡「好きですよ」 陽乃「...え?」 八幡「俺、雪ノ下さんのことが好きですよ」 陽乃「...」 八幡(俺もこうやって反撃する。付き合い始めてからの特権である) 八幡「どうしたんですか? さっきは俺に『突然黙っちゃって~』って言ってたじゃないですか」 陽乃「...馬鹿」プイッ 八幡「くくくっ...雪ノ下さんも変わりましたねえ」 陽乃「...ううん、君が私を見つけてくれたんだよ」 八幡「...そっすか」 陽乃「まあ、元々私はこんなんだけどね~」ニカッ 八幡「そうやって二刀流で来るあたり、前よりも厄介ですよ」 八幡(...雪ノ下さんがこんな感じになったのも、あの夏の事件がきっかけだ) ~~~~~ 2: いいいい ◆CcW4KPdZhU 2016/01/24(日) 22:27:12.52 ID:04nqtuOFO 私、雪ノ下陽乃は何でもソツなくこなすことができる。 そして、ある程度...いや、かなり見た目も良い。 自分自身でそんな風に思うなんて、自惚れだと言う人、傲慢だと言う人、様々いると思う。 だがしかし事実だ。 遺伝子に恵まれたのだろう。 私の可愛い妹も、性格が違うだけで、他は私と何ら遜色ない。 そんな妹の事を単純に愛せない辺り、私も人間なのだろう。 もちろん可愛く思っている。 幼い頃から一緒に遊んできたし、大きな喧嘩もしたことが無い。 ...でも、そんな妹が、私の歩んできた道と同じ道を歩んでいる。 いつでも妹は、私の少し後ろを付いて来る。 付いて来る...付いて来ることができるだけの能力がある。 それが、たまらなく悔しかった。 こんな風に思うなんて、姉として...人として間違っている。 分かっている。 間違っているのだ。 でも、思わずにはいられない。 私は凄い筈なのに、可愛い可愛い妹も、私と同じくらい凄い。 だから、私は妹にちょっかいを掛けてしまう。 『ちょっかい』という言葉が可愛らしく感じるような『ちょっかい』を...。 3: いいいい ◆CcW4KPdZhU 2016/01/24(日) 22:27:39.58 ID:04nqtuOFO そうやってちょっかいを掛けていたある日、ある少年と出会った。 その子は無愛想で、目が腐りきっていて...。 そのことが関係しているのかは分からないが、その少年は、偽りの私を見抜いていた。 先程言った通り、私は自分自身の出来がいいと自覚している。 だから、それ相応の評価をしてもらえるように取り繕ってきた。 付き合いの浅い人はみんな、私の狙い通り『凄い人だ』と評価してくれる。 そういう表情をしている。 まあ...徐々にその評価は『危険な人』に変わっていくわけだけど。 しかし、その少年は違った。 彼の私に対する第一印象は、表情からして『不気味な人』といったところだろう。 初めてだった。 そんな彼のことが気になった。 気になって仕方なかった。 いつの間にか、惚れていた。 4: いいいい ◆CcW4KPdZhU 2016/01/24(日) 22:28:07.91 ID:04nqtuOFO 八幡「...え~、雪ノ下さん」 陽乃(おっとっと...つい考え込んでしまった) 八幡「結局、話ってなんなんですか...?」 陽乃「おやおや、いつになく積極的だねえ、比企谷くん」 八幡「いや...早く帰りたいんで」 陽乃「まったく~、素直じゃないな~」 八幡「ははっ、俺は誰よりも自分に素直ですよ」 陽乃「そうかな? まあいいや。ちょっと付き合って欲しいとこがあるんだよね~」 八幡「...」 陽乃「露骨に嫌な顔見せてくるね~」 続きを読む