転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1402732597/ 1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/06/14(土) 16:56:37 ID:aiIFGzXI その日はとても寒かった。 二十代も後半に差し掛かっているが、就職もせずバイトの日々だ。 友達もたいしていないし、もちろん彼女なんかできたことがない。 正直言って、自分がどうして生きているのか分からなかった。 『シベリア寒気団の影響により、この冬は平年より寒くなるでしょう』 男「寒いのか。いやだねー」 毛布にくるまってテレビを見ながらカップ麺をすする。こんな生産性のない日々が続いている。 2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/06/14(土) 16:57:29 ID:aiIFGzXI 寒いと気が滅入るのか、ネガティブな考えがどんどん浮かんでくる。 これからもこんな日々が続くのかとか、彼女ができないんじゃないかとか、一生童貞なのかとか。 『続いてはクリスマスのデートスポットの特集を――』 クリスマスとかいう忌々しい単語が出てきたので俺はテレビの電源を切った。 そうか、もうあと二日だったな。クリスマス。 カレンダーを見る。明日から二日間バイトの予定がない。 男「バイト入れときゃよかった……」 もはや手遅れだ。こうなりゃ二日間引きこもってやる。 3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/06/14(土) 16:58:10 ID:aiIFGzXI そして早くも暇をもてあました俺は、再びテレビを点けた。 どうやら歌番組をやってるらしい。 アイドルがサンタ衣装を着てクリスマスソングを歌っている。 男「あーあ。俺の所にもこんなかわいいサンタが来ねーかなー」 そうやって叶いもしないであろう願いを口にした時、玄関のチャイムが鳴った。 男「何のご用ですかー!」 ここから動くのも面倒なので、とりあえず訪問の目的を訊いてみた。 少女「ピザのお届けに参りましたー」 4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/06/14(土) 16:58:52 ID:aiIFGzXI すると、何ともかわいらしい女の子の声が返ってきた。 ピザなど頼んだ覚えは無いが、顔だけでも拝んでおこうと俺は玄関のドアを開けた。 するとそこにはピザ屋の店員の姿はなく、 少女「死んでください」 代わりに、拳銃を俺に向けた女の子が立っていた。 俺は反射的に玄関のドアを閉めた。 続きを読む