973: 大人の名無しさん 投稿日:2012/01/27(金) 15:07:23.33 ID:/fiOOxAG 皆さんには泣ける話ではないと思うが書かせてほしい。 俺が30歳、家から離れて働いていた時、実家から電話があった。 父親からで「お母さんが癌で長いことはない」という話だった。 俺は驚いて実家に戻ったが、父親から母には病名は告げていないこと、もって1年以内だということを知らされた。 それからは有給や会社が強制的に取らせる夏冬休暇に実家に戻った。 病院の窓から見える紅葉がきれいな季節だった。 母が「お前はもう立派にやっているから一人前だと思っているだろうけど、親にしてみたらお嫁さんをもらうまでは心配なんだよ」と言ってきた。 その時は感情を抑えるのに必死で「仕方ないだろう。結婚は一人で出来るもんじゃないんだから」とだけ言った。 社会人になってから少し経って、母が借金をつくり、父に言えずにその一部を俺に負わせていたことなどすっかり忘れたようだった。 「馬鹿やろう。誰のせいで俺が結婚どころか恋愛もしないのか分かってないじゃないか。 俺君のこと好きです。2千万円の借金あるけど付き合って下さい」 誰が惚れた女性にそんなこと言えるんだ。 でももう数カ月でこの世からいなくなる母に、そんな事言っても無駄だし可哀想なだけだ。 それから年がかわって、父親から「とうとういかんようになった」と電話がきた。 実家に帰って病室に入ったら、母が俺の顔を見て泣きだした。 その時、「もう、間もなくなんだ」と思った。 1週間後、母は亡くなった。 父も兄弟も親戚も泣いていた。俺は泣いていたんだろうか。記憶が飛んでいる。 続きを読む