転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1547803947/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/18(金) 18:32:27.49 ID:Ig5EVnBQ0 雑貨カフェに行きませんか? って、藍子に誘われた。 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/18(金) 18:33:53.72 ID:Ig5EVnBQ0 ――まえがき―― レンアイカフェテラスシリーズ第64話です。 以下の作品の続編です。こちらを読んでいただけると、さらに楽しんでいただける……筈です。 ・北条加蓮「藍子と」高森藍子「カフェテラスで」 ・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「カフェテラスで」 ・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「膝の上で」 ・北条加蓮「藍子と」高森藍子「最初にカフェで会った時のこと」 ~中略~ ・北条加蓮「藍子と」高森藍子「似ているカフェと、黄昏色の帰り道で」 ・高森藍子「北条加蓮ちゃんと」北条加蓮「向かい合う日のカフェで」 ・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「とてもとても寒い日のカフェテラスで」 ・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「新年のカフェで」 3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/18(金) 18:34:52.76 ID:Ig5EVnBQ0 軽めのレッスンが終わった後の時間。帰るにはまだ少し早い。 誰かに連絡取ろっかな? それとも1人でぶらついてみよっかな? そんな感じで悩みながら、事務所のソファでごろごろしていた時に、藍子からメッセージが飛んできた。 最初に見た時、いいタイミング、と思わず言ってしまったのをよく覚えてる。 あれはちょっとだけ恥ずかしかった。 目的地まで歩く間に話を聞いてみた。そうしたら、新しいコラムの為に取材に行きたいんだって。 そういえばそうだったね。最近忘れがちになってたけど、藍子はカフェコラムを書いてて、そして私と一緒にカフェ巡りをしてるんだった。 雑貨カフェ、っていうのは、雑貨屋とカフェが合体したようなお店のこと。 雑貨屋って言えば昔、お仕事の帰りにちょっと寄ったことあるなぁ。でも、その時くらいしか行ったことがない。雑貨カフェという場所もなんとなく想像できなくて、 「ショッピングモールにあるネイルコーナーみたいな感じ?」 って聞いたら、私の例えも藍子にはピンと来なかったみたい。うーん、と悩み始めた。 その調子だと目的地のカフェが閉店するまで立ち止まったままになりそうだったので、慌てて手を引っ張ることにした。 4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/18(金) 18:35:47.20 ID:Ig5EVnBQ0 カフェに行く話なのに、私が先導するというのもおかしな話。 ううん。今"だけ"は、これでいいのかもしれない。 藍子は未だに自信を取り戻しきれていない。今日だって、合流した時、私の顔を見て一瞬だけ切なそうな顔をしていたし。 今は、誰かが手を引いてあげないといけないのかも。 やがて藍子が、態勢を取り戻す。 改めて、私が藍子の手を引いている、という状況を客観的に見て―― やっぱり、心のどこかに棘が1つだけ突き刺さった、 嫌な感じがしたので。 ぱっ、と藍子の手を離して、隣に並んで、ついでに背中を思いっきり叩いた。 「ほら、一緒に行こ?」 返事が来るまで、かなりの逡巡があった。 ……また、あの夕暮れの時みたいに拒否されるのが怖くて。 私は結局、答えを待たずして、藍子を半ば強引に雑貨カフェへと連れていくのだった。 続きを読む