転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1411831018/ 1 : ◆ToMnIXXmPQ 2014/09/28(日) 00:16:58 ID:5nqM1RRQ 幼馴染「ねえー、男? 本当に登るつもり?」 男「もちろんだ」 幼馴染「危ないよー? これ、一応高圧電線用のマジな鉄塔だよ?」 男「みりゃわかるさ。見事な四角錐だよな」 幼馴染「もう… 落ちても知らないよ?」 男「一応、落ちないような支度もすこしはしてきたぞ?」 幼馴染「ほう? どれどれ」ヒョイ 男「腰につけるベルト…と、フック。2本」 幼馴染「それ、どうするの?」 男「登りながら、交互に鉄柱にくっつけて、落下防止にね」 幼馴染「フックじゃ、揺すられたときに落ちちゃうんじゃないかなあ」 男「んー、まあ そん時はそん時かな」 2 : ◆ToMnIXXmPQ 2014/09/28(日) 00:17:36 ID:5nqM1RRQ 男「んじゃまあ。そろそろ…」 幼馴染「本気?」 男「おう。俺は… この鉄塔に、登る」 幼馴染「やめとこうか」 男「なんだよ、ノリ悪いなぁ」 幼馴染「そりゃそうでしょ。止めない人って居ないんじゃない?」 男「おまえ、人なの?」 幼馴染「一応… ヒトなんじゃないかなぁ…分類するなら」 男「でもお前、浮いてるじゃん」 幼馴染「死んじゃったからね」 男「うん。 死んじゃったな、ずいぶんとあっさり」 3 : ◆ToMnIXXmPQ 2014/09/28(日) 00:18:12 ID:5nqM1RRQ 幼馴染「まさかこうして 死んじゃった後も男と喋れるとは思わなかったよ?」 男「お前のあの怪しい趣味のおかげだな」 幼馴染「怪しい趣味って…失礼だなぁ」 男「だってよ。通夜の席で、おまえの部屋にいれさせてもらってさ」 男「もう、何年ぶりになるかなあ、お前の部屋に入ったの」 幼馴染「んー… 中学1年のときに、こなかったっけ?」 男「そうだっけ?」 幼馴染「うん。確か、本棚を新しく買ったときに…手伝いに来てくれたよ」 男「ああ、そうだ。組み立て家具のやつな」 幼馴染「そうそう。お父さん、一人で組み立てたのはいいけど 一階でつくっちゃったから」 男「2階の部屋まで運ばされたんだっけ」 幼馴染「うん。あの時は、ありがとね」 男「死んでからいわれてもなあ」 4 : ◆ToMnIXXmPQ 2014/09/28(日) 00:18:45 ID:5nqM1RRQ 幼馴染「ごめんねー? なんか、ちょっとあの頃、うまく素直になれなかったかも」 男「あー、まあ 俺もそうだったわ」 幼馴染「ようやく、ちょっと普通にまた一緒にいられるようになったのにね」 男「ほんとよ。これから夢のキャンパスライフだって来るはずだったのに」 幼馴染「男とおんなじ大学、いきたかったなー」 男「合格もしてたんだけどなー」 幼馴染「…………ごめんね」 男「まあ、いいよ。こうして 一緒にいるんだし」 幼馴染「でも、なんで私 こうして一緒にいるんだろう?」 男「え? だから アレだよ。お前の部屋にあった大量の悪趣味な本」 幼馴染「……え? もしかして、男 アレためしたの?」 男「あー。まあ、なんか。なんとなく」 続きを読む