女「立派になって迎えに来てね」

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転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1423915925/

1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/02/14(土) 21:12:05 ID:s5bwmpt6
ーーーー夏の日の最も暑い正午の時間に僕は緑豊かな田んぼ道を歩いていた。
たくさん生い茂った稲の草は風と一体となり、光の波を作り出す。
よって近くで見てみるとタニシの卵がひっついていたり、アメンボが緑の十字路を縫うようにして進んでいたりと
遠くでは見えなかったものがうかがえた。
 小さいころは地元の隅々まで見て回ったりして遊んだけれど、成長するにつれてこういうところでしゃがんだりする
こともなくなっていったなぁ。
 
?「あ、タニシだ」
 
童心にかえっているとふと上方から声がした。上を向くと太陽のせいで影になっていて顔はよく見えなかったけど、見慣れた
白いワンピースを着ていたので誰だかすぐに分かった。
 
男「やぁ、後光が差していてよく顔が見えないよ」
 
そういって立ち上がると声の主は爽やかに笑っていた。
 長く、そして黒いストレートにそろった髪、肌は紫外線の存在を忘れてしまうほどに白い.....
かつて日が暮れるまで遊んで、一緒に笑いあった、僕を初恋に落とした張本人。
 
男「歩こうよ、女ちゃん」
 
女「うん」
 
そして僕たちは歩幅を合わせて歩き出した。


2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/02/14(土) 21:12:58 ID:s5bwmpt6
五年前の中二の夏に彼女はこの町から都会の高校へと転向してしまった。彼女の母は厳しく、いつも
彼女に対して過度な勉強課題を出して、自分が教育に悪いと思ったものは与えず、灰色の学校生活を与えた...ように思う。
 そして、挙句の果てに彼女は転校してしまった。
 田舎の学校は都会を比べて授業の進行速度が遅いからだろうが、僕にしちゃ好きな人を引き離されたようなものだから
たまったものじゃなかった。

男「来年の冬にスキーに行かない?」

 先のこととはいえ季節外れの提案をしてしまったように思う、だが僕はできるだけ彼女に会える時間を作りたかった。

女「ごめんね、行けないかも」

 また振られてしまった、本当に申し訳なさそうにする彼女の顔は見ていて心が痛んだ。
 答えは大体分かっていたのだ、実はこの間彼女を誘おうと電話をしてみたのだが、出たのは彼女の母で
僕の名前を出した瞬間にたたきつけられるように電話を切られた。
 
 ここまでおばさんに嫌われているとは思っていなかったけれど、それでも彼女は盆休みには会いに来てくれる。
 今はそれだけでもありがたいと思おう、彼女側の都合も考えるときっと仕方のないことだ。


3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/02/14(土) 21:13:51 ID:s5bwmpt6
女「やっぱりここはキレイねー」

 快晴の青空にこの田舎ののどかな風景は、現在都会に身を置いてる彼女を優しい気持ちにさせているのだろうか。
もしそうならば、僕のものでもないがなんだか誇らしい気分だ。

 暫く歩いていると静かに風鈴の音が聞こえた、前方にアイスクリームを売っている屋台が開いているのだ。
 
 せっかく来た彼女のためにも奮発してやろうと思い、僕はアイスを注文することにした。

男「すみません、アイスを二つください」

 屋台の中は畳敷きになっていて、そこに寝転がって頬杖を着いて賑やかにしゃべるラジオの話を聞いていた。
どうやらこちらに気付いたようで、客が来るとは思ってなかったのか慌てて用意を始める。
 間もなく奥のほうから戻ってきたおじさんは両手に二つのソーダバーを持ってきてくれた。
 
おじさん「青いねぇ、こんな日に余計暑くなっちまう」

 それを手渡すついでに恥ずかしい冗談をかましてくれた、交際すらしてないのに気まずい雰囲気になったら
どうしてくれるんだ、と胸の内で嘆く。



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