妹「夢の世界につれてってあげる」

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転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1409997573/

5: ◆eUwxvhsdPM 2014/09/07(日) 20:46:38 ID:jdD8sC.2
嫌な予感がして、目を覚ました。
途端、おれの勘は正しかった事がわかった。

俺の頭上2.3センチの所に、出刃包丁が突き刺さったのだ。
枕が破けて綿が飛び出る。まるではらわたのようであった。
綺麗に研がれた出刃包丁だ。割れそうなくらいに薄く、触れただけで全てを切り裂きそうな刃先だ。
一瞬でも目を覚ますのが遅ければ、こいつは脳天に深々と突き刺さっていた事だろう。

そんな未来を想像して、おれは冷や汗をかいた……と、言いたい所だが、
おれの皮膚はカラカラに乾ききっていた。
慣れとは恐ろしいものだ。
代わりにあくびで目を湿らしてから、おれは枕元(なんてものはもう存在しないのだが、)に立つ女の子に顔を向けた。


6: ◆eUwxvhsdPM 2014/09/07(日) 21:02:17 ID:jdD8sC.2
「おはよう、妹」

「おはよう、お兄ちゃん」

毎日毎日繰り返されるあいさつだ。
しかしおれは、このような平凡な日常の行動というものは、とても大切だと考えている。
寝る時間も不定期で、起きる時間も決まっておらず、昨日あいさつを交わした相手と今日は銃を突きつけ合うなんて、不安定な日常……おれはまっぴらごめんだ。

「起こしてくれたのか。ありがとう」

おれは妹に礼を言い、ベッドから起き上がり伸びをした。
その隙をついて、今度は妹が柳刃包丁で斬りかかってくる。
まったく、伸びくらいさせてほしいものだが。
おれは指の腹で包丁を叩き、それを止めた。


7: ◆eUwxvhsdPM 2014/09/07(日) 21:02:54 ID:jdD8sC.2
「今日は張り切ってるなあ。どうした?」

「んーん、お兄ちゃんがあんまりにも気持ちよさそうに寝てるからさ。もっと深く、気持ちいい……夢の世界につれてってあげようと思ったの」

なんとも優しい妹だ。
ご近所中に言ってまわりたいくらいだ。

「けど、失敗しちゃった……だからね、今度は朝ごはんで、夢の世界へつれてってあげるね!」

「そいつは楽しみだ……朝から刺身か?」

「んー、お魚だけど、刺身じゃないよ」

「なるほど。期待してるよ」

そう言うと、妹は太陽のような笑顔で、一階のキッチンまでスキップで去っていった。
その姿を見て……やっと、はっきりと目が覚めたようだ。

今日もまた、一日が始まる。



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