808 名前:名無しさん@HOME[] 投稿日:2018/12/16(日) 21:50:32.48 0 旦那は三兄弟の次男。旦那の兄(以下義兄)と弟(以下義弟)にも、それぞれ奥さんがいる。 義弟嫁さんが義両親からされたことに対して、義兄嫁さんがDQN返しをしたので、義兄嫁さんの許可のもと報告します。 スレチだったら申し訳ない。 義兄、旦那、義弟の三兄弟は至って常識人。 全員既婚で、義兄嫁、義弟嫁とはあまりしっかり話したことがなかったが、二人ともしっかり者で優しい雰囲気の人だった。 しかし、三兄弟の母であるトメが結構厄介な人。 積極的に嫁いびりをしてくる人ではないのだが、プライドが高くて、一度「敵」だと認識した人に対しては攻撃的になる。 例えば、トメが知ったかぶりをして、近所のおばちゃんに間違いを指摘された時には、 そんな細かいことを口に出すなんて云々といつまでも詰る。 ネチネチといつまでも覚えているし、他のご近所さんに「あの人はろくでもない」と言いふらすなど。 知り合いのほとんどは、そんなトメの性格をよく分かっているので、あまり相手にはされていないようだったが、 とにかく一度プライドを傷つけられた相手には粘着する人だった。 ウトは抑止力がなく、空気のような人。 義兄嫁と私は幸い標的にされるような事件もなく、トメが愚痴を言う時に、はいはいと流す程度で済んでいたのだが、 義弟が結婚してから事件は起きた。 義弟結婚後、改めてトメの号令のもと、三兄弟+嫁で食事をすることになった時のこと。 トメは腕を振るって料理を用意していたのだが、そこで、義弟嫁がアレルギーを持っている海老の料理が出されたのだ。 義弟と義弟嫁は、結婚式の食事メニューを決める折、アレルギーのことを義両親に伝えていたとのことだったが、 今回の食事に際して改めて伝えてはいなかったこともあり、もう一度トメに説明し直した。 そして、義弟嫁は謝り、海老料理には手を付けなかった。 それがトメの逆鱗に触れた。 烈火のごとく怒り、甘えじゃないのか、折角ご馳走を用意したのに礼儀知らずだと激昂。 三兄弟でトメを諫めたものの、トメは益々ヒートアップするばかりだったので、その会は早々にお開きになった。 809 名前:名無しさん@HOME[] 投稿日:2018/12/16(日) 21:51:10.28 0 そこから半年程、義弟夫婦が義実家に顔を出すことはなかったのだが、昨年の正月に再び義実家に集まる機会があった。 旦那と二人、義弟嫁さんが心配だね、と話していたのだが、案の定トメは義弟嫁に対してだけ初めからフルスロットルで 敵対モード。 自分の料理に手を付けなかっただけではなく、前の会合が上手くいかなかった恨みも全て義弟嫁のせいと考えていたのだと思う。 三兄弟がトメを叱りつつ、着席。今回の料理人もトメ。 ひと悶着あった後、ようやく食事が始まったため、私は最初に味噌仕立てのお雑煮に口を付けた。 と、あらー、濃厚な海老の出汁が美味しいこと。 同じくお雑煮を食べようとしていた義弟嫁を「だめー!」と全力で止めた。 トメ、義弟嫁と、義弟嫁を止めた私に大憤慨。 あれこれ言ううちに抑えがきかなくなったのか、ついには、 「アレルギーなんて甘え! そんな理屈で、振舞われた食事に手を付けないなんて、空気が読めていないし無礼! 私だったら、我慢して姑の出した料理を完食するわよ!」とのたまう。 すみません、無理なものは無理なんです、と委縮する義弟嫁。 義弟嫁さんが死んじゃったらトメさん責任取れるんですか、と言い返す私。 死ぬほどじゃないでしょと、更に顔を赤くしてふじこるトメ。 にっこり笑顔のまま、自分の鞄を寄せて何かを取り出す義兄嫁。 そして、義兄嫁さんは、怒るトメの手を取ると、その手に鞄から取り出した何かを握らせた。 よく見るとそれは、ソーイングセットに入っているような、片手サイズのハサミだった。 「トメさん、このハサミを今すぐ自分の喉に突き刺して、って言われたら、できますか?」 トメ、私、義弟嫁はポカーンとしたが、すぐにトメは義兄嫁に対して、できるわけないでしょ、何考えてるの、 とぎゃあぎゃあ言いだした。 義兄嫁、笑顔を崩さないまま続ける。 「アレルゲンを飲ませられるなんて、アレルギーの人にとっては毒を飲ませられることと同じなんですよ。 ハサミも同じですよね。ハサミを喉に刺したって、死ぬほどのことじゃないですものね。 トメさんは、もし自分だったら我慢して実行するのですよね。 じゃあ、人に勧められたらハサミで自分の喉を刺すくらいできますよね。 トメさんはまさか、空気の読めないことなんてしないのですよね」 810 名前:名無しさん@HOME[] 投稿日:2018/12/16(日) 21:51:38.76 0 淡々と続ける義兄嫁に対して、トメは顔を白くさせてブルブルと震えた。 助けを求めるように周りを見たが、皆だんまり。私は内心怖くてだんまり。 トメがしばらく無言を貫いたので、呆れた義兄嫁はトメの手からそっとハサミを取った。 「怖かったでしょう? できなかったでしょう? 当たり前ですよ、人間ですからね」 そう言うと、義兄嫁は小さなハサミを逆手にもって、自分の喉に突き立てるフリをした。 場の誰もがひっと声を上げた。 「私だったら、「自分だったらできる」なんて言わずに、まずお椀やハサミを目の前から取り下げますけどね?」 義兄嫁が、一瞬目をかっと見開いて低い声でつぶやいたのも、すぐに笑顔に戻ったのも、私はプルプル震えながらただ見守った。めちゃくちゃ怖かった。 その食事会もすぐにお開きになった。 トメからの謝罪は一言もなかったけれど、嫁三人ともめでたくトメから敵認定を受けたので、三家とも義実家詣でに パタリと行かなくなってしまった。 今年は三家とも嫁実家に行くことになったので、1年前のこと思い出しながらカキコ。 ちなみに、事件以来義兄嫁、義弟嫁とは親しく交流することになった。 義兄嫁に、あの時は怖かったけれどかっこよかったと打ち明けると、一言、 「私、元カレの影響で、キチガイの演技は上手なの」と言って、うふふと微笑まれた。 主人である義兄には秘密なのだそうが、何でも昔交際していた相手が精神的に突飛な人で苦労したとのこと。 どこの修羅の国の人かと思いましたよ。義兄嫁には、義弟嫁ともども驚かされてばかりです。