773: 大人の名無しさん 03/09/21 06:51 ID:EKXVQd69 死んだ祖母のことを書きます。 俺の両親は俺が5歳のときに離婚し、母に引き取られたものの母は忙しく、それからはずっと祖母(母方)と暮らしていた。 一人っ子の俺は何かというとすぐ手を上げる母にはあまりなつかず、そんなときは祖母はいつも俺をかばってくれていた。 母は母で自分になつかないわが子が面白くなかったのかもしれない。祖母に買ってもらったおもちゃをみてはよく母に叩かれたものだった。 しかしそんなときは決まって母が祖母に叱られていた。 母に対する祖母の態度には俺に見せるそれとは正反対の、子に口答えをさせない戦前の親の厳しさがあり、そんな祖母を見ては 不思議な感覚を覚えたものだった。夫を戦争中に亡くし、終戦直後の混乱期を女手ひとつで厳しく母たちを育ててきた気丈な祖母 だったが、その反動で孫である俺には溺愛ともいえるほど甘かったのかもしれない。 そんなふうに人一倍甘やかされた俺は当然のごとくわがまま放題なクソガキになっていた。 金がなくなれば祖母の財布から抜きまくるし、友達が遊びにくると、祖母が母親のようにおやつを持って来てくれること がはずかしくて「あっちいけババア!」とか言いまくるし、何か気に入らないことがあればすぐに手や足が出る……どう しようもないクソガキだった。授業参観に祖母が来たときなんかは恥ずかしくて殺してやろうかとさえ思ったほどだった。 祖母はそんな俺を見ては悲しそうな顔をしていたが、でも俺は相変わらず悪態をつくことしかできなかった。 続きを読む