78 名前:NAME OVER@自治スレで荒らし対策ルール審議中[sage] 投稿日:2008/09/05(金) 22:28:19 ID:??? ・高山君、忍者ハットリくんになりたくてピーピヨピヨピヨピヨのまっき ファミコンロッキーでハットリくん巨大化のテクニックが載ったので それを真に受けて忍者ハットリくんを購入してきた高山君。 どう考えても無理だろう、、、と思っていたが高山君は純粋に裏技を試すべく練習していた。 成功しない事に業を煮やした高山君が取った行動は 「俺、忍者になる!」だった。 まずはおみやげ物の手裏剣を持ち歩くようになった。 2個しかないから投げない。 3つあったのだが、一個は学校の焼却炉に立てかけてあった木の板に投げつけて 跳ね返ってどこかへ行ってしまったから。 そして忍術である。 忍術「(自称)影走り」は高山君基準で会得したらしい。 忍術「影分身」は調子がいい日はイケるらしい。ずっと調子は悪かった。 忍術「ムササビの術」は1.5メートルほどの距離を飛んだ。 順調に忍術を会得していく高山君。 伊賀の里が憧れの場所だったらしい。 …しかし、悲劇は寒い冬の日にやってきた。 87 名前:NAME OVER@自治スレで荒らし対策ルール審議中[sage] 投稿日:2008/09/06(土) 14:42:30 ID:??? 高山君は寒風吹く中、薄手の長ジャージ一枚でみんなを日曜日の学校に呼び寄せた。 小脇に抱えているのは風呂敷包み。 …まさか、、、学校の屋上からムササビの術、、、?などと考えていると 「今から新しい忍術を見せます!これは凄いです!」と高山君が得意そうに発表を始めた。 つい先日も昼休みに砂場に穴を掘って土とんの術をやろうとして生き埋めになりかけた事を 俺は知っていたので別の意味で期待が膨らんだ。 「今からプールへ移動しましょう!」 そういって友達を校舎の後ろにあるプールへと先導した。 入り口のドア(鉄柵)を乗り越え、緑色の水を湛えたプールサイドに集まる。 「それでは発表します!水ぐもの術です!じゃーん!」 そう言って風呂敷包みを解き、中からなにやら取りだして頭上に掲げた。 手には魚屋で貰える発泡スチロールの箱の上蓋に穴を空け、ビニル紐を通して作った かんじきの親分みたいなものが2個あるのみであった。 「これを使って今から水の上をスーイスイと歩きます!スーイスイと!」 そういうとビニル紐で出来た鼻緒に靴を引っかけた。 93 名前:NAME OVER@自治スレで荒らし対策ルール審議中[sage] 投稿日:2008/09/06(土) 23:09:40 ID:??? 発泡スチロールを足に、緑のプールへと足を踏み出す高山君。 少しの間、水面を片足でチャパチャパとやっていたが、やがて意を決したように踏み込んだ。 「にんじゅt、、、」 何やら言おうとしたが、沈んだ。 俺たちは助けるのが面倒なのと濡れるのが嫌なので眺めていたらほどなくして上がってきた。 ハットリくん、一機死んだな。 「やっぱ忍者への道はほど遠いかぁ、、、」 そういって高山君は緑色に染まったジャージを絞りながらクシャミをした。 今思うと高山くん、ほど遠いも何も一歩すら近づいてなかったよ。