70 名前:NAME OVER@自治スレで荒らし対策ルール審議中[sage] 投稿日:2008/09/05(金) 16:33:15 ID:??? ・高山君、エキサイトバイクを目指す 当時、小学生の間でスポーツ自転車が流行ったんだよ。 あの細めのタイヤでカマキリみたいなハンドルの。 友達はみんな憧れてたんだけど大抵高校生位にならないと買えなかった。 そんな中、高山君はスポーツ系でも「マウンテンバイク」を乗ってきた! まだ全然その辺じゃあまり売ってなくて初めて見る代物だった。 「従兄弟の兄ちゃんが買ったから借りてきた!バイクみたいだろ!」 そして受け売りと思われる「斜面を登ったりジャンプしたりする」という説明をした。 「それ、エキサイトバイクみたいな感じじゃん!すげぇ!」と お母さんのお下がり自転車を乗っている小林君が言うと 「そうだよ、あれくらいのことがこの自転車ならできるんだ!」と 胸を張って高山君は答えた。 早速近所の建設会社の資材置き場へと向かった。 今思えば小林君の一言は高山君の素敵想い出へのナイストスだったのかもしれない。 72 名前:NAME OVER@自治スレで荒らし対策ルール審議中[sage] 投稿日:2008/09/05(金) 20:06:36 ID:??? 「よーし!今からエキサイトバイクをしまーす!」 砂利や土やコンパネが積まれた前で誇らしげに高山君が宣言した。 高山君以外はママチャリや子供用自転車ばかりだったので とりあえず積まれたコンクリート製品の上に腰掛ける俺たち。 「まずはスタートして最初の山な!」 そういってくちバイクをしながら土の山に向かう高山君。 60センチほどの高さの山を無難に乗り越えた。 おおー!と盛り上がるギャラリーを後目に 「次は大きな山です!ブロロロロロロロ!」と 1.5メートルくらいある土山へと漕ぎ出す。 途中でよたるも何とか頂上へ。 ガッツポーズをする高山君はきっと輝いていたと思う。 そこで小林君が一声掛ける。 「エキサイトバイクなんだからジャンプ!ジャンプ!」 実は高山君、手放し走行ですっ転ぶほどの腕前なのだが 俺は黙って見守った。 もしかしたら、、、もしかしたらマウンテンバイクなら、、、やってくれるかも知れないッ…! そんな期待も込められていた。 74 名前:NAME OVER@自治スレで荒らし対策ルール審議中[sage] 投稿日:2008/09/05(金) 21:43:59 ID:??? 一瞬「マジかよ、、、」と言った表情を見せたが今はエキサイトバイクのプレイヤー すぐに「よっしゃ!ジャンプな!」と言ってペダルに足をかける高山君。 グッとハンドルを引き上げ身を前に倒す。 次の瞬間、高山君は大ジャンプで高く宙を舞った! …はずだった。 目の前で起きたのはまさに「転がり落ちるエキサイトバイクのそれ」だった。 見事に前から2回転ほどで着地。 いや、転落だった。「転がって落ちる」と書く典型的な転落だ。 鼻血がまるでオーバーヒートゲージの様に赤く顔を染めていた。 ブレーキレバーは曲がり、小さな反射板も折れた。 おでこも擦りむき、すでに満身創痍だ。 立ち上がる間もなく 襲い来る罵声と嘲笑。 負けるか!彼は高山 ちぎれそうなマウンテンバイクを 引きずり なお走った!自宅はあの家だ! …もちろんこっぴどく従兄弟に叱られたらしいというのは言うまでもない。 その資材置き場は今はもうアパートが建っていて遊ぶスペースなんてないけど あの時俺たちが学んだ「エキサイトバイクは危険なスポーツだ」という教えは いつまでも心の中に残っている。