373: 1/3 03/06/17 20:28 ID:XUbO9sEQ なんだかみんなの話を読んだら、私もひとつ書きたくなった。 子供のころの話なんだけど、忘れられない曾祖父の話。 母の実家。縁側の近くの壁際が曾祖父の指定席だった。 冬はストーブの前で暖かく、夏は縁側からの風がさわやかな特等席。 煙管で煙草をふかし、ひざにはいつも私か弟。 曾祖父のおひざは特等席で、いつも取り合いのけんかになった。 たまに飲む一杯のコーヒーを楽しみにしていた。 相撲が大好きで、TVのチャンネル争いで本気でけんかしたこともあった(w 大好きだった。「そこに居て当たり前」だと思っていた。 曾祖父と私の間には、ひとつだけみんなに秘密にしておいたことがあった。 その日、曾祖父は歩くと結構距離がある親戚の家まで行こうとしていたらしい。 ぽかぽかといい陽気だったのをなんとなく覚えている。 その親戚の家までは、とても幼い私の足で歩いていけるような距離ではなかったが、 私はどうしてもついて行くと言ってきかなかったらしく、とうとう二人で出かけることになった。 しかし、大方の予想通り歩けなくなって泣く私。そんな私を曾祖父は黙っておんぶしてくれた。 家に帰ってからそれを言うと母や祖母に怒られるので、このことは私と曾祖父の秘密になった。 その時の背中の暖かさと、ホッとした気持ち。今でもよく覚えている。 続きを読む