転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443019005/ 1 : ◆Hnf2jpSB.k 2015/09/23(水) 23:36:45.86 ID:pUKT4bXuo 推敲しながら投下予定です 前作と同程度の分量になりそうですが、お付き合いいただければ幸いです ↓前作 【アイマス】雪の花が咲くように 2 : ◆Hnf2jpSB.k 2015/09/23(水) 23:38:03.65 ID:pUKT4bXuo 夏の暑さも和らいできたある日、社長より直々に呼び出された。 こういった形で呼ばれるのはあの件以来だ。 苦々しい思いが駆け上がってくる。 3 : ◆Hnf2jpSB.k 2015/09/23(水) 23:38:33.81 ID:pUKT4bXuo 「社長、先だっては大変申し訳ありませんでした」 それなりの処分も覚悟して頭を下げる。 しかし、帰ってきたのは笑い声だった。 「はっはっはっ、もう済んだことだと言っただろう」 「しかし……」 「ああして、気持ちだけで動けるというのはいいことだよ」 確かに理屈でどうこう考えて行動したわけではない。 激発する感情に押されて動いてしまっただけだ。 本当の意味で気にかけなければならない物事を差し置いたまま。 4 : ◆Hnf2jpSB.k 2015/09/23(水) 23:39:10.98 ID:pUKT4bXuo 「また同じようなことをするとなると、話は違ってくるがね」 瞬間、息苦しさを覚えるほどの圧迫感に襲われた。 社長が言外に発した圧が、いともたやすく自分の中の後悔を暴いてしまった。 「その後の顛末は律子君から聞いたよ。私が言いたいことはすべて萩原君が言ってくれたようだ」 社長の口調の変化とともに、先ほどの息苦しさが夢のように消え失せていく。 けれど、この後悔は絶対に忘れてはならないものだ。 「だからこの話は、もう済んだことなのだよ」 自ら骨を折ったことなど全く意に介さない社長。 俺が頭を下げる間もなく動いてくれた音無さんに律子。 馬鹿な俺を信じてくれていた雪歩。 この人たちに報いるには、俺はどれだけのことをすればいいのだろう。 「ありがとうございます」 今の俺には、感謝を述べることしかできない。 5 : ◆Hnf2jpSB.k 2015/09/23(水) 23:39:39.38 ID:pUKT4bXuo 「さて、本題に入らせてもらおうかな」 「はい」 とはいうものの、あの件の話でないとすると。 心当たりが全くない 「君もこの仕事にだいぶ慣れてきたことと思う」 「社長をはじめ、事務所の仲間の支えあってこそです」 それは、偽らざる本心だった。 社長に、この事務所に拾われて本当に良かったと思っている。 「そう謙遜することはないよ。君も十分、みんなを支えているのだから」 その言葉に涙が出そうになる。 そうか、俺はやれているのか。 続きを読む