転載元 : http://hayabusa.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1381699060/ 1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/10/14(月) 06:17:40.23 ID:sxuiMB0a0 ソーニャが激烈な腹痛に襲われたのは、冬、放課後の帰り道での事だった。 人も車もあまり通らない、細くて狭い路地にソーニャはいる。 なんだこれは・・・。 帰路を歩んでいた足が止まり、手は腹部の上に置かれ、表情が徐々に苦しげなものになっていく。 鞄がどしゃと雪の上に落ちた。 一歩、足を踏み出すのも苦しい。 眉間に深い皺が刻まれる。 立っていられず、路地の端によって塀に手をおいて身体を支える。 あまりにも突然すぎる腹痛。 腹痛が去るのをじっと待っていると、不意にぐぎゅるる、と腹が鳴った。 ソーニャの顔が青ざめた。 便意の到来である。 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/10/14(月) 06:18:56.70 ID:sxuiMB0a0 それはソーニャのそれまでの人生で最も巨大な便意だった。 一歩も動けない。 動けば決壊する。 それがはっきりと分かった。 腹は熱を帯びて苦しく、肛門のあたりに重い圧迫感がある。 気を抜けばその時点でミサイルは発射、爆弾は破裂、ダムは決壊する。 ソーニャは唇を噛んだ。 目をぎゅっと瞑り、便意の破壊的な衝動に耐える。 ・・・。 最初の大きな波をやり過ごす事に成功した。 思わず溜息を漏らす。 目を開けると、姿勢をしゃんと正した。 正したつもりだったが、膝が震えている。 そこで気づいた。 便意に耐えている間、自分は両手をお尻の上に置いて重ねて、 産まれたのシカのようにぷるぷる震えていたのだと。 なんて酷い格好をしてたんだ・・・と顔が熱くなった。 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/10/14(月) 06:20:24.35 ID:sxuiMB0a0 ソーニャは周囲の風景を眺める。 ちらちらと舞う細かな雪。 延々とずっと向こうまで続く塀。 その塀の上から見える家々の群れ。 その家の内部へと続く出入り口。 看板や標識。 電信柱。 ソーニャは考える。 トイレは何処にあるのだろうか、と。 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/10/14(月) 06:21:32.71 ID:sxuiMB0a0 公衆便所は見当たらない。 公衆便所が置いてあるであろう公園の類もない。 ソーニャはほぼ毎日、この寂れた路地を歩いているが、記憶を探っても公衆便所も公園も無かった筈。 引き返すか?学校まで。いや、途中で力尽きそうだ・・・。 と、ではどうすべきか? と考える。 そこらへんの家屋に駆け込み、 「わたくし××学校に籍を置いております、ソーニャと申します。 あの、大変申し訳御座いませんが、お宅の厠を貸して頂けないでしょうか?」 とでも頼み込めばいいのだろうか? 答えは即座に出る。 無理だ・・・。 とてつもなく恥ずかしい。 見知らぬ人にトイレを貸してくれ、なんて。 続きを読む