転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466357323/ 1: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/06/20(月) 02:28:43.71 ID:3qyMdc/w0 文香「……」 ありす「……」 ありす(……文香さんが本を読んでいます) ありす(今日も麗しい) 文香「……」ペラ ありす(本をめくる手も白くて、細くて、綺麗です) ありす(羨ましい……私もあんな手になれるでしょうか……?) ありす(……いえ) ありす(文香さんみたいになれるわけありません) ありす(文香さんは唯一無二) ありす(文香さんと対等の美しさになれるはずありませんよね) ありす(それでも、隣に並び立っても、文香さんの美しさを損なわないほどの美しさを持ちたい) ありす(橘ありすです) 文香「……」ペラ ありす(……しかし、本当に集中してますね) ありす(いつものことですが……こんなに視線を向けても、こちらを一瞥もしないなんて) ありす(まあ、おかげで私はこんなにもじっくり見れるんですが) ありす(……) 文香「……」 文香「……」ズズ 文香「……あひゅっ」 ありす「!」 ありす(あひゅっ! あひゅっですって! 文香さんカワイイ!) ありす(自分で熱いお茶を淹れてたのに、忘れてたんでしょうか?) ありす(それでも、もう少し温いと思ったんでしょうか?) ありす(……いえ、どちらでもかまいませんね) ありす(ひとつわかることは、やはり文香さんは天使――) ありす「――いえ、文香さんは女神!」 2: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/06/20(月) 02:29:21.06 ID:3qyMdc/w0 ありす「……あ」 ありす(し、しまった……言葉に出してしまった……!) ありす(いつも気をつけてしまったのに……いや、でも……) ありす(文香さん、本を読んでるときは他のことをまったく気にしませんし……) ありす(今回も聞き流して――) 文香「……女神?」 ありす(――ないっ!) ありす(どうしましょう、ガッツリこっちを見てます!) ありす(じぃっと見られてます!) ありす(興奮します!) ありす(……じゃなくて) ありす「あ、いえ……あの、えっと、違って……いや、違わないんですけど……」 ありす「あの、え、あの、えっと――」 文香「――うっ」バタッ ありす「!?」 ありす「え、ええっ!?」 ありす「文香さん……文香さん!?」 ありす(きゅ、急に倒れてしまいました!?) ありす(えっ……な、何ですか……女神恐怖症ですか!?) ありす「だ、大丈夫ですか、文香さん!」 ありす「ご、ごめんなさい、私が女神って言っちゃったからですか!?」 ありす「わかりました、今後は心の中でだけ叫ぶようにします!」 ありす「たぶん!」 文香「――」ムクリ ありす「あ、文香さん!」 ありす「起き上がって大丈夫ですか!?」 ありす「さっきまで、倒れてたんですから、そんな急に立ち上がらなくても――」 文香「――人の子よ」 ありす「は?」 3: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/06/20(月) 02:29:48.79 ID:3qyMdc/w0 文香「――」ペカー ありす「!?」 ありす(文香さんに後光が差してます!) ありす(いえ、いつも私の目には後光は見えてましたが……今日は一段と強く……!) 文香「――」フワッ ありす「!?」 ありす(さらに、文香さんが浮かび上がりました!) ありす(いえ、こちらは、本当に、比喩ではなく!) ありす(さすがの私も、そんな文香さんは見たことありません!) 文香「――」バサッ ありす「!?」 ありす(翼も生えました!) ありす(これは私の目にもいつも見えていましたよ、なんていったって文香さんは女神で すから!) ありす(……いえ、でも、実際に生える姿なんて見たことありませんけど!?) ありす「ふっ、文香さん、なんですかそれ、どういうことですか!?」 ありす「マジックですか!?」 ありす「それとも、誰かの薬……機械……悪魔の力……」 文香「――いいえ、そのどれでもありません」 文香「私は、この器――文香に宿っていた女神です」 ありす「め、女神!?」 続きを読む