転載元 : http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1534359016/ 1 :名無しさん@おーぷん 2018/08/16(木)03:50:16 ID:2DB 浅利七海が海を避けるようになった。 きっかけは単純だ。 船上での仕事の途中、誤って海に落ち、カナヅチゆえに溺れ、それがトラウマとなった。 幸い俺が近くに控えていたため、すぐさま飛び込み助け出すことはできたが、当時は少々波が荒く、ほんの2、3分足らずの間とはいえ、幼い少女の心に恐怖を刻み込むには十分過ぎる経験となった。 2 :名無しさん@おーぷん 2018/08/16(木)03:51:14 ID:2DB 3 :名無しさん@おーぷん 2018/08/16(木)03:51:26 ID:2DB 七海「え、えーっと…。そ…そのお仕事はちょっと…」 今日も、ちひろさんが手にした書類の束を見上げ、七海は口ごもる。 千川ちひろ「気持ちはわかりますが、いつまでも海の近くのお仕事を避けていたら…」 七海「は、はい…わかっては…いるのれす…」 …いつまでもひきずってはいられないって。 そう俺以外には聞こえないほどの声で呟き、うつむく。 七海「…………」 七海が海に怯えるようになって、少しずつ、だが確実に仕事は減っていた。 もともとお魚アイドルとして売り出していたのだ。 いくら魚好きである事に変わりはないといえ、いつまでも海辺での仕事を避けていては、選べる仕事は限られてくるし、ともすれば本来ならスポンサーが七海を想定していたようなイベントですらも他のライバルたちに出し抜かれ、奪い取られてしまう。 彼女のアイドルとしての活躍の機会は確実に失われる。 七海「わかっては…いるのれす…」 もう… 続きを読む