転載元 : http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1508412226/ 1: 名無しさん@おーぷん 2017/10/19(木)20:23:46 ID:RWr 試験的に感情表現を省いてみた お題スレ用 2: 名無しさん@おーぷん 2017/10/19(木)20:24:28 ID:RWr 思わず目を細めてしまうほど月が明るい夜。 その月に負けぬほど眩しい2人の女が、とある料亭の個室にいた。 高垣楓。 かすかに翡翠がかった艶やかな髪。 はかなげでありつつも不思議な温かみのある、碧と蒼の瞳。 しなやかに、悩ましげな曲線を描く身体。 彼女は風にそよぐ芒のようにたおやかで、優雅な風貌だった。 3: 名無しさん@おーぷん 2017/10/19(木)20:25:27 ID:RWr それと対照的に片桐早苗は、くっきり、はつらつとしていた。 あるいは“具体的”とでも言うのだろうか。 みずみずしい栗色の髪。 面立ちは童顔で、まったく邪気のないように見える。 けれども顔に見合った小柄な身長に、見合わぬ豊満さがあった。 2人は同じ事務所に所属しているアイドルで、 年は3歳ほど離れていたが、 それを気負うこともなく付き合っている。 性質のちがいから仕事を奪い合うこともなく、他人からは、 両者の間に亀裂を生じさせうる要素はないように見えるだろう。 4: 名無しさん@おーぷん 2017/10/19(木)20:27:39 ID:RWr 「プロデューサー君には本当こまっちゃうよねぇ」 「ええ、本当に…」 2人は食事の余韻をゆったりと感じながら、語り合っていた。 それ自体はごく自然な風景だった。 「食事はおろそかにしちゃダメっていつも言ってるのに、 目を離すとカップラーメンばっかり。 アイドルに心配かけるなんてプロデューサー失格よ!」 「私達に気を回してくれるぶん、自分のことがおろそかになるんじゃないですか」 「そう…そうね。きっとそうだわ」 彼女達をプロデュースしているのは同じ男。 たった1人の、男だ。 続きを読む