転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1539702889/ 1: ◆VnQqj7hYj1Uu 2018/10/17(水) 00:14:50.21 ID:mLeBP0lF0 モバPの一人称語り、ということでお願いします。 2: ◆VnQqj7hYj1Uu 2018/10/17(水) 00:15:41.98 ID:mLeBP0lF0 「……げっ、まだこんなにあるのか」 書類仕事……やってくる書類をひたすら確認し、処理していく、単調な仕事だ。 アイドルのみんなや事務所が有名になり、勝手に仕事が舞い込むようになった今日この頃。 それに関係してなのかは分からないが、俺に回ってくる書類の数も増したような……そんな気がする。 気付けば、時刻は午後十時を回ろうととしていた。 「こりゃ徹夜コースかな……」 某黄緑色のアシスタントは、定時で上がってしまっていてもうここにはいない。 事務所で一人寂しく、パソコンとにらめっこをしながら、俺は書類との格闘を続けていた。 3: ◆VnQqj7hYj1Uu 2018/10/17(水) 00:16:36.26 ID:mLeBP0lF0 「ーー腹、減ったな」 そういえば昼頃にゼリー飲料を口にしてから、飲み物以外は何も口にしていなかった。 忙しかったために何かを食べる時間が取れなかったのである。 そろそろ何か食べないとまずい。でも、そんな時間はあるのか。 ただでさえ徹夜コースになりそうな書類の山、少しの時間でも惜しい。 「でも、食べないとまともに働けないよなぁ……でもせっかく調子が乗って来てるのに、ここで止めてしまうのも……」 『でも』の連鎖。頭が回っていないのか、俺の思考は堂々巡りを続けるばかり。 ーーそんな中、葛藤を続ける俺の耳に聞こえて来たのは、ドアを開ける音だった。 4: ◆VnQqj7hYj1Uu 2018/10/17(水) 00:17:32.10 ID:mLeBP0lF0 音の主は綺麗な長い黒髪をなびかせながら歩いてくる、一人の少女。 「ただいま。お疲れ様、プロデューサー」 「おかえり、凛。直帰するはずじゃなかったのか?」 「そのつもりだったんだけどね。事務所、まだ電気付いてたから」 そう言って少女……渋谷 凛は微笑んだ。 5: ◆VnQqj7hYj1Uu 2018/10/17(水) 00:18:20.50 ID:mLeBP0lF0 「そっか……今日の仕事、問題なかったか?」 「特に問題はないよ。長引きはしたけど、特に滞りもなかったし」 「それは何よりだ。何なら、家まで送って行こうか?」 「うん。ちょっと時間潰したら、お願いしようかな」 少し嬉しそうな顔を見せる凛。 しかし、その顔はすぐに怪訝な表情に変わることとなった。 続きを読む