転載元 : http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1536911960/ 1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/14(金) 16:59:20.636 ID:eH+sOEWlD 喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。 ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。 この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。 そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。 いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。 さて、今日のお客様は……。 江頭陶子(38) ジャーナリスト 【ミステリアスな恋人】 ホーッホッホッホ……。」 2: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/14(金) 17:01:22.912 ID:eH+sOEWlD 6月末、東京。ある大型書店。ジャーナリスト・江頭陶子の新著『六代目山王組分裂』が山積みにされている。 書店の中に入り、『六代目山王組分裂』を手に取って表紙を見つめる喪黒福造。 とあるホテル。ある部屋で、目つきの悪い男たちを相手に何かの取材をする一人の女性。 男たちは質のいいスーツを着ているが、雰囲気的にどう見てもカタギの人間ではなさそうだ。 闇社会の関係者を相手に取材をしているのは、ショートヘアでパンツスーツ姿の女性だ。 この女性は整った顔立ちで、目つきや表情からして頭がよさそうな雰囲気の人間である。 テロップ「江頭陶子(38) ノンフィクション作家・ジャーナリスト」 宅間書店。「週刊ユウヒ芸能」編集部。男性編集者と会話をする陶子。 編集者A「江頭さん。あなたのおかげで、暴力団関係の特集記事はかなり充実した内容になりましたよ」 陶子「ありがとうございます」 編集者A「ところで、江頭さん。こういった闇社会関係の取材をして、死の恐怖を感じたことはないんですか?」 3: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/14(金) 17:03:23.275 ID:eH+sOEWlD 陶子「それはありませんね。職業柄、私は自分が畳の上で死ねないことを覚悟していますし……」 「厄介な連中による脅しの類もすでに慣れました」 陶子が立ち去った後、会話をする「ユウヒ芸能」編集者たち。 編集者A「それにしても……。いつもながら、ずいぶん勇ましいよなぁ。江頭さんって……」 編集者B「ああ……。だけど、彼女は人を寄せ付けないような雰囲気があるんだよな」 ビル街を歩く通行人たち。通行人たちの中の一人に、陶子もいる。 陶子(人間は、最後は一人……。だから、私も一人で生きて、一人で死んでいく……) 駐車場に停めてある軽四の自動車に乗り込む陶子。 陶子(私は……、一人だ……) 陶子がエンジンをかけようとしたその時……。車の後部座席から例の男――喪黒の声がする。 喪黒「江頭陶子さん……ですね」 陶子「!!」 続きを読む