転載元 : http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1534264210/ 1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/15(水) 01:30:10.339 ID:vbZmLXzQD 喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。 ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。 この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。 そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。 いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。 さて、今日のお客様は……。 山川正隆(49) 俳優 【背徳への誘い】 ホーッホッホッホ……。」 2: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/15(水) 01:32:30.431 ID:vbZmLXzQD 夜。東京のある下町。居酒屋「桐子」。店の中で、客たちは食事をしながら酒を飲んでいる。 店内にいる客たちの中には喪黒福造もいる。カウンターに座り、つまみを食べながらビールを飲む喪黒。 店の奥にある液晶テレビが、時代劇を放送している。美形の中年俳優が主役の剣客を演じているようだ。 居酒屋を経営するママ・桐子は、客たちと一緒にテレビの時代劇を見ている。 テロップ「山川正隆(49) 俳優・ミュージシャン」 客A「まったく、山川正隆はいつ見てもかっこいいよなぁ」 客B「ああ。結婚で一時期より人気が衰えたとはいえ、今も女性ファンがかなりいるんだからな」 桐子「そんなこと言うもんじゃないの!」 客B「おっと、失礼!そういえば、ママは山川正隆のファンだったなぁ」 桐子「マサはいつまでも独身でいてくれると思っていたんだけどねぇ…」 喪黒「…………」 テレビの時代劇に出演している山川の姿を見ながら、どうやら喪黒は何かを思いついたようだ。 3: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/15(水) 01:34:42.246 ID:vbZmLXzQD 数日後。あるアリーナ。建物の中で、山川正隆がライブを行い熱唱している。 客席には中年の女性ファンたちが多く集まり、サイリウムを振り回している。 ライブを終え、特設会場でサイン会を行う山川。ファンの色紙にサインを書く山川。 ここでも、列を作って並んでいるのは女性ファンばかりだ。 山川の前に、ある女性ファンが姿を現す。手提げ鞄からナイフを取り出す女性ファン。 ナイフを持った女性ファンが山川に向かって飛びかかろうとした、その時――。 山川の側に喪黒が突然現れ、女性ファンに向かって右手の人差し指を向ける。 喪黒「ドーーーーーーーーーーーン!!!」 狂信的女性ファン「キャアアアアアアアアアアアア!!!」 喪黒のドーンを受け、山川を襲おうとした狂信的女性ファンが倒れる。 喪黒「警備員さん、今です!!この人を取り押さえてください!!あと、110番に通報を!!」 警備員たちがやってきて、気絶している狂信的女性ファンの身柄を確保する。 4: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/15(水) 01:37:15.586 ID:vbZmLXzQD 突然起きた狂信的ファンによる凶行を前に、悲鳴を上げる女性ファンたち。 山川「あ、あの……!!あなたは……!!」 喪黒「以後、お見知りおきを……」 喪黒が差し出した名刺には、「ココロのスキマ…お埋めします 喪黒福造」と書かれている。 そして名刺の裏の白地には、BAR「魔の巣」の住所がボールペンで書かれている。 喪黒は、山川やファンたちの前から立ち去っていく。 数日後。BAR「魔の巣」に入店する山川。店の席には、山川を待つ喪黒が座っている。 喪黒「やぁ、山川さん」 山川が喪黒の隣の席に腰掛ける。 山川「サイン会で起きたあの事件……。喪黒さんには感謝していますよ」 喪黒「どういたしまして……」 山川「スターの宿命とはいえ、厄介な連中に付きまとわれて……。辛いですよ」 喪黒「ですが、山川さん……。『厄介な連中』はさすがに言いすぎではないですか!?」 続きを読む