転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1472044928/ 1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/24(水) 22:22:08 ID:LY5SHGi2 「キサマラガウミダサレタリユウハタダヒトツ……オロカナカンムスヲ、ミナゾコニシズメルコトダ!」 今、目の前にいる深海の姫様――空母棲姫は生まれてすぐの私達に説明する 「ヤツラハナンドモリクニアルワレワレノスミカヲオソイ、シンリャクシテキタ。ソノタビニアタラシイセンリョクヲフヤシタガ、イマモナオヤツラノゲキタイハオロカ、アシドメスラシッパイシテイル」 どうやら、艦娘とは私達の平和を脅かす存在らしい。姫様はそんな敵に対してご立腹のようだ 「ヤツラカラコレイジョウ、ワレラノスミカヲウバワレテハナラナイ。キサマラノカツヤク、キタイシテイル。サア、スグサマハイチニツケ!」 『イエッサー!』 部屋に居た者達は一斉に返事をする。ただし誰も声を発したわけじゃないから、部屋に響き渡ることはない 「……オマエノシキスルクチクカンタチヲツレテコイ。キライノハイチヲサセルンダ」 「ショウチシマシタ」 空母棲姫の側にいた彼女――軽巡棲姫は頷いて部屋を後にした ―・―・―・―・― 2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/24(水) 22:23:04 ID:LY5SHGi2 駆逐艦に運ばれた私は、作戦海域の海上をクラゲのように漂っていた。無闇に動かず、艦娘が近づいてきたら戦うのだと理解していたから 私はどうやら目と口が無いらしく、見ることも喋ることも出来ないみたいだ。しかし、会話はテレパシーのようなものでやり取りすることが出来る。先ほど、部屋に声が響かなかったのはこの為だ 目の代替に関しては、非常に優秀な敵味方判別センサーを搭載しているため、壁に遮断されなければ同胞・敵の位置がすぐに分かる。姿を見ることは出来ないが、別に問題とは思わなかった 私は手足を動かさず、センサーに意識を集中させ獲物を待ち構える。波に揺られながらも気を緩ませず、冷静に…… センサーに突如、艦娘の反応があった。遂に戦いが始まるようだ。私は緊張こそしていたが、動かないよう努める すると、遠くから声が聞こえて来た 3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/24(水) 22:26:04 ID:LY5SHGi2 「ここが作戦海域ね」 「静かだね。海の中に潜んでるのかな?」 「ソナーに反応はないわね。潜水艦が出てこなければいいけど」 「お前ら、気を抜くんじゃねーぞ」 しばらく話に耳を傾けたが、この四人以外は誰も喋っていないようだ。どうやら、今回の獲物は四人と少数編成みたいだ しばらくすると、センサーに反応があった。この反応は私の味方達の反応で、この四人を沈めに来たようだ 4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/24(水) 22:27:23 ID:LY5SHGi2 「……後方から、敵艦隊の反応があるわ」 「私の方も確認したわ。潜水艦が二隻いるみたい」 「残りは駆逐艦二隻と軽巡洋艦二隻ってところだね」 「潜水艦混じりの水雷戦隊ってところか……面倒だな」 どうやら、私には気づいていないらしい。索敵範囲が広くないのか、私自身が敵として認識されていないのか。どちらにしても好都合だ 続きを読む