転載元 : http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1533292480/ 1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:34:40.035 ID:Cgfz1AY1D 喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。 ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。 この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。 そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。 いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。 さて、今日のお客様は……。 村上銀蔵(37) 元銀行員 【相場道】 ホーッホッホッホ……。」 2: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:35:56.168 ID:Cgfz1AY1D 夜。あるレストラン。 スーツを着た二人の男女がテーブルで食事をしている。 女性の顔の表情は笑顔だが、男性の顔の表情はどこか浮かない。 テロップ「村上銀蔵(37) 菱沼GFJ銀行 元銀行員」 村上「あの……。俺、どうしても君に言いたいことがあるんだ……」 テロップ「吉村明美 客室添乗員」 明美「何?もったいぶってないで、さっさと言ったらどう?」 村上「実は俺……。この間、菱沼GFJ銀行を……!リストラされたんだ……!!」 明美「えっ……!?」 村上「本当だよ……!!今の俺は無職なんだ……!!でも、頑張って次の就職先を見つけるつもりだ……!!」 「だから……、俺が銀行マンじゃなくなったとしても……、君は俺のことを今まで通り愛してくれるかい!?」 村上の話を聞いているうちに、明美の表情がみるみる曇っていく。 4: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:37:23.221 ID:Cgfz1AY1D 明美「そうなんだ……。私が好きだったのは銀行員の村上さんであって、無職の村上さんではないから!」 村上「えっ!?それじゃあ……!!」 明美「私、あなたと別れることに決めた!!婚約の話もなしよ!!今までありがとう……!!」 明美は村上に向かってぶっきらぼうに言い放ち、席を立ち去る。 村上「ま……、待ってくれ!!吉村さん!!」 村上の大声で、他の各テーブルに座っている人たちがいっせいに彼を見つめる。 明美が去り、テーブルに一人いる村上は意気消沈した様子になる。 駅。プラットホームで電車を待つ人々の列。 列から離れた村上はただ一人、プラットホームの前の方に立っている。 村上の肩の上に手が置かれる。村上が振り向くと、そこには得体のしれない男――喪黒福造がいる。 喪黒「そんな所に立っていたら危ないですよ……」 村上「あなたは……」 5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:38:46.789 ID:Cgfz1AY1D 喪黒「まさか、あなた……。電車に飛び込んで死のうとでも考えていたんですか……!?」 村上「う、うう……!!」 喪黒「なるほど……。否定しないのですか……。どうやら、あなたは嘘がつけないお方のようですね」 「ですが……、そのせいであなたは生き辛い思いをしているでしょうな……。違いますか!?」 村上「あああ……!!」 村上は地べたに座り込み、泣き崩れる。プラットホームにいる人々は、村上と喪黒を見つめる。 喪黒「よろしかったら、私が相談に乗りましょうか!?あなたのために……」 喪黒が差し出した名刺には、「ココロのスキマ…お埋めします 喪黒福造」と書かれている。 BAR「魔の巣」。喪黒と村上が席に腰掛けている。 喪黒「ほう……、村上さんは菱沼GFJ銀行の行員なのですか。なかなかのエリートですなぁ……」 村上「……正確には、菱沼GFJ銀行の『元』行員……。銀行員『だった』と言った方がいいでしょうね」 喪黒「つまり、あなたは何かの事情があって銀行をお辞めになったのですか?」 村上「リストラされたんですよ」 続きを読む