転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1387703349/ 1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 18:09:09 ID:5K6cN7w. 昔々、人殺しの化物がありました。 気の狂った魔術師に創られたそれは、人ではありません。 その手は、剣を砕き、鎧を千切り、肉を握り潰します。 その脚は弓撃つよりも疾く、一度出逢えば、背を向け逃げ出すことすら許しはしないのです。 軍国主義からも淘汰された、余りに倫理から掛け離れた存在。 人々は恐れ、何度も破壊を試みました。 しかし、その全ては徒労に過ぎませんでした。 人々が立ち上がった分だけ、戦った数だけ、屍が積み重なるだけだったのです。 屍の数だけ、魔術師のおぞましい笑い声が世界に響きました。 しかし、絶望に塗れたある日、魔術師と化物ははたとその姿を消してしまうのです。 その行方を知る者は、誰一人居ませんでした。 そして、世界に平和が訪れたのでした。 (本作品は、おまけ程度ではありますがアダルトシーンを含みます。フェチの要素も含みますので、閲覧の際はご注意ください) 2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 18:10:15 ID:5K6cN7w. <とある町の外れ、そよ風吹く丘の上の教会> 司祭「皆様、本日はようこそお出でくださいました。皆様の温かなご協力、主もお喜びのことでしょう」 傭兵A「ぁー、どうも。御託は良いからさ、司祭さん。仕事の内容、早いとこ詳しく教えてくれないかな」 傭兵B「そうだぜぇ、ジジイ。少ねぇ報酬でわざわざ来てやってんだ」ケケッ 傭兵C「……お前、失礼だぞ」 傭兵B「そらすーませんねぇ」ヘッ 司祭「えぇ、えぇ。何分急なもので、資金が立ち回らなく、本当に申し訳ない限り……」ペコペコ 傭兵A「司祭さん。そうゆうのは良いから、早く仕事の内容を」 司祭「いやはや、本当に申し訳ございません。それでは、早速」ペコペコ 傭兵A(ったく、調子狂うぜ……)ハァ 3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 18:10:55 ID:5K6cN7w. 司祭「……この教会には、『悪魔の娘』とされる少女がいます」 傭兵B「悪魔の娘ぇ? んだそりゃ、角がにょっきり飛び出た女でも居るのかよ」 司祭「こちらへ来なさい」 「……はい」 静かな声が響く。 傭兵たちが声の方を振り返ると、そこには、粗末な麻の服に身を包んだ少女が立っていた。 柔らかそうな肌は、まるで丘に降り積もる新雪のように白く、触れば溶けてしまうような儚さを感じさせた。絹糸を梳いたような白銀の髪は、彼女の腰元までまっすぐに伸び煌めいている。 少し釣りがちの双眼に包まれたルビー色の瞳と相まって、その姿は、一流の職人が手がけた人形かと錯覚してしまう程。 それが故に、まだ成熟しきってはいない身体に包まれているぼろぼろの麻の服が、傭兵たちには不釣り合いに感じてならなかった。 しかし、それにも関わらず、誰もが思うのだった。 彼女は美しい、と。 4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 18:11:39 ID:5K6cN7w. コツ コツ コツ... 少女「…………」ペコリ 司祭「この娘です。名は、少女と申します」 傭兵A「この、嬢ちゃんが……?」 傭兵C「どう見ても、いや確かに美しいが、それ以外はただの年頃の町娘にしか見えないが」 司祭「詳しいことは申し上げられません。ただ確かなことは、彼女が確かに『悪魔の娘』だということ、それだけです」 傭兵C「あ、いや、済まない。疑うつもりはないんだ」 司祭「えぇ、えぇ。こちらこそ、詳しいことを申し上げられなくて誠に……」ペコペコ 傭兵A(まーた始まったよ……) 5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/22(日) 18:12:16 ID:5K6cN7w. 傭兵B「へへっ、どっちでも良いじゃねぇか! 見ろよぉ、こんな可愛い子ちゃん、町中探してもそうそう居ないぜぇ?」ズイッ 少女「っ」ビクッ 傭兵A「おい、止せ。怯えてるぞ」ハァ 少女「……っ」プルプル 傭兵C「あぁもう! お前はさっきから何なんだ!? やる気がないならここから出て行け!!」 傭兵B「ぁ? んだ、テメェ? やる気か……ッ?」ヘッ 傭兵C「それでお前が出て行ってくれるなら、いくらでもな……ッ!」キッ 司祭「おぉ、おぉ! お二方、争いはお止めを……」オロオロ 続きを読む