転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1387797905/ 1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/23(月) 20:25:05 ID:M6RLxj8Q グロ展開・捏造等 2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/23(月) 20:25:37 ID:M6RLxj8Q 慌てて飛び起きた。周囲をさっと見回して、いつもの寝室であることを確認する。 何事もなく、暗闇が静かに辺りを包んでいるのを見、やっと先程の出来事は夢であったと認識した。 ほっと安堵の息をついたと同時に体中から嫌な汗が噴き出す。 粗末な寝衣が皮膚に纏わりついて気持ち悪い。 恐ろしい夢だった。夢の内容を反芻して思う。 幾度となく修羅場を潜り抜け、死にそうな思いも数えきれないほどしてきた。 迫りくる巨人も、飛び散る血飛沫にも、とっくに慣れてしまった。 それでも、さっき夢の中でみた光景は目を覆うものであった。 乱れた呼吸を整えてから、ベッドから怠い体を引き剥がし、寝室を出る。 とてもこのまま眠りにつく気にはなれなかった。 3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/23(月) 20:26:27 ID:M6RLxj8Q 井戸にいき、地下でよく冷えた水を汲み上げる。 今夜は雲が厚く、星も月も出ていない。暗闇を吸い込んだ桶の水面を眺める。 夜中で誰もいないので、汗を染み込んだ衣服と肌着を取り払い、頭からその冷水をかぶった。 夜の冷気が濡れた剥き出しの肌に突き刺さる。 体中の筋肉が縮こまるのを感じたが、それと同時に先程の不快感は幾分かマシになった。 顔もついでに洗うと、適当に体を拭いて部屋へ戻ろうと入口の方を振り返る。 そこには部下の一人が驚いた顔で佇んでいた。 「あ、ごめんなさい・・・まさか兵長がいらっしゃるとは・・・」 おろおろと視線を彷徨わせながら彼女は言った。 幸いズボンだけは穿いていたが、上半身は剥き出しだったのでなんだか申し訳ない気持ちになる。 精鋭班の一員とはいえ、嫁入り前の生娘に男の裸をさらすのは気の毒だと思った。 気にしなくていい、と言い、素早く衣服を身に着ける。 軽く頭を下げたあと、こんな時間にどうしたのかと彼女は尋ねてきた。 夢の話など言えるわけがなく、ただ汗が気持ち悪かったから、と返す。 彼女はその答えでは納得いかないらしく、心配そうな表情で俺の顔を見つめる。 部下の気持ちはありがたかったが、実のところ、一刻も早く部屋に戻りたいと思っていった。 4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/23(月) 20:27:06 ID:M6RLxj8Q さっき洗い流した汗がじっとりと背中に滲みでてくるのを感じる。 チラリと彼女の足元を見る。いつもの兵団服ではなく、今はゆったりとしたワンピース型の寝巻を身に着けている。 僅かな夜風にふかれて彼女の白い足首がちらちらと覗く。 ・・・ここでもし、「そう」したら彼女はどんな反応を見せるだろうか。 「・・・兵長?」 ハッと我に返る。俺の腕は妙な高さで静止していた。 なんでもない、と言って腕を下ろすと俺は逃げるようにその場を離れた。 5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/23(月) 22:57:12 ID:.qYPU6pE その後は結局一睡もできず、朝を迎えた。 鏡を覗くといつも以上に人相の悪い男がこちらを睨んでいた。 舌打ちをして食堂へ向かい、部下達と対して美味くもない食事を胃に詰める。 片付けは俺がしますから、と部下の一人が言い、他のものはそれぞれの仕事をしに戻る。 なにをしたらいいか分からず、戸惑っている新兵のガキには庭の掃除を言いつけた。 部屋に戻って書類に目を通し、次回の壁外調査の作戦について確認する。 紙の束をめくるうち、一枚抜けている資料があることに気づいた。 持ってきたのはたしか、ちょうど皿洗いをしているオルオだったか。 再び食堂に向かい、部下の姿を探す。鼻歌交じりで食器を磨いているのがすぐ見つかった。 横には綺麗になった皿とピカピカに磨かれたグラスがある。 棚に仕舞い込んであったグラスもついでに洗浄したようで沢山のグラスがピラミッド状に積んであった。 器用な男である。 キラキラと小窓から差し込む日の光で、古いのグラスの山もクリスタルでできたオブジェのように見えた。 続きを読む