転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1393336883/ 1 : ◆sIPDGEqLDE 2014/02/25(火) 23:01:23 ID:qZmS8UNw 寒さの残る2月下旬。 この日も私は、階段を上りいつもの。 私の居場所へ。 軋んだ音を立てる古い鉄扉を開く。 ここは事務所の屋上。 事務所で昼食をとる時は決まってここに来ています。 2 : ◆sIPDGEqLDE 2014/02/25(火) 23:02:15 ID:qZmS8UNw 静かな屋上で、のんびり歌を聴いたりしながら食事をするこの時間が私にはとても大事な物になりました。 時たま事務所の仲間達が来て一緒に食事をすることもあるのだけれど。 4色のレジャーシートを敷き、その上に座り鞄からランチボックスを取り出します。 千早「今日は風がないから過ごしやすいわね。」 空には雲一つなく、風のない穏やかな天気です。 とは言え気温は低いので上着を脱ぐわけにはいきませんが。 ランチボックスの蓋を開けて早速お昼ご飯を食べましょう。 3 : ◆sIPDGEqLDE 2014/02/25(火) 23:03:21 ID:qZmS8UNw 今日のお弁当は梅のおにぎりとお野菜、卵焼き、水筒にはお味噌汁を入れて持ってきました。 それじゃあ手を合わせて。 千早「いただきます。」 ふわりと軽く風が吹き、それに乗って一片の花弁が舞い込んできました。 梅の花ね。 そういえば、春香が今日は近くの公園に梅の花を見に行くって言っていたような。 桜の花とはまた違った景色なんでしょうね。 ちょっと、見てみたいかも。 4 : ◆sIPDGEqLDE 2014/02/25(火) 23:04:19 ID:qZmS8UNw ランチボックスのおにぎりに手を伸ばし、口を開けたところで軋む音が聞こえ扉が開いたことに気づきます。 誰かが屋上にやって来たようです。 高木「おや、如月くん。昼食かね?」 千早「あ、社長。お疲れ様です。」 立ち上がろうとした所を手で制されました。 高木「あぁ、いやいいんだ。そのままそのまま。」 千早「ありがとうございます。」 続きを読む