転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529512250/ 1 : ◆DAC.3Z2hLk 2018/06/21(木) 01:30:51.12 ID:VRvB94mS0 モバマスより佐久間まゆと小日向美穂(たぬき)達のSSです。 独自解釈、ファンタジー要素、一部アイドルの人外設定などありますためご注意ください。 前作です↓ 【たぬき】城ヶ崎美嘉「腹ぺこ悪魔とまんぷく小悪魔」 最初のです↓ 小日向美穂「こひなたぬき」 2 : ◆DAC.3Z2hLk 2018/06/21(木) 01:33:09.61 ID:VRvB94mS0 【 ♡まゆ日記♡ 】 やっと見つけました。 これはきっと運命。 私はあなたと出会うために生まれてきたんです。 今行きますね。 たくさんたくさんお話をしましょう。 今まで出会えなかった空白を、たっぷり埋めてあげましょうね。 待たせてごめんなさい。 16年間、とっても長かったですよね。 ――ねぇ? 〇〇月××日 3 : ◆DAC.3Z2hLk 2018/06/21(木) 01:35:36.11 ID:VRvB94mS0 ◆◆◆◆ 佐久間まゆ、16歳。宮城県仙台市出身の高校生。 9月7日生まれの乙女座で血液型はB。 趣味は料理と編み物、地元ではロリータ系の読者モデルをしており―― 履歴書からちらと視線を上げ、正面の彼女を見る。 最初に事務所で出会ってからほんの三日後のこと。 キャリーケースをころころ引き、左上から右下までびっちり埋めた履歴書を携えて彼女が来た。 「えぇ~っと、つまり……君もアイドルを?」 「はい♡」 パイプ椅子に姿勢よく座り、佐久間まゆはにっこり頷いた。 ……俺から一秒たりとも目線を逸らさない。 「それで志望動機の件なんですが、本当にその……」 「あら、そんなに信じられませんか? いいですよぉ、何度だって言いますから」 4 : ◆DAC.3Z2hLk 2018/06/21(木) 01:36:44.01 ID:VRvB94mS0 「あの時……初めてあなたに出会って、わかったんです。 これは運命なんだって。 まゆは、あなたにアイドルにして貰うために生まれてきたんです。 そうとわかれば、なんにも迷う必要ありませんよぉ。 あなたの傍にいる為なら、惜しいことなんて一つもありませんから」 …………う~~~~~む。 どうしよう。 新しいタイプだ。 隣のちひろさんの笑顔が微妙にひきつっている。 「……うん、ありがとう。申し訳ないけど、少し中座しても?」 「もちろん。まゆ、いつまでも待ってますね♡」 5 : ◆DAC.3Z2hLk 2018/06/21(木) 01:40:07.48 ID:VRvB94mS0 「プロデューサーさん……どうします?」 ちひろさんがそんなことを聞いてきたのは初めてだ。 うちの事務所は自慢じゃないが、これまでありとあらゆる個性派を受け入れてきた。 既にそういう土壌もできているし、ちょっとやそっとの異変なら日常茶飯事だと言い切れる。 だが、今回のケースはちょっと勝手が違う。 アイドルを始める動機は様々だが、のっけから「俺の為」と言い出す子は流石にいなかった。 「ああいう子って一直線ですから、取るにしてもリスクが大きいと思いますけど……」 「まあ……そうですね、俺もそう思います」 「ただ、めちゃくちゃ可愛いんですよね。あんな子滅多にいないんですよ」 「うわ~出たアイドル馬鹿。あの子プロデュースしたらどんなに凄いか考えてるんでしょ」 「いやでもそれは考えるでしょ……! 仕事なんだし!」 「とにかく、私はおすすめしませんよ。ただでさえ莉嘉ちゃんが入って間もないんですから」 「リスクマネジメントも仕事もうち、か――」 とりあえずまとまったので戻る。 続きを読む