転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524122067/ 1 : ◆axPwtNeSoU 2018/04/19(木) 16:14:28.13 ID:DK+aCMTA0 ※短編です ※このSSは、 タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part6P http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522054323/ の>>211に投稿されたタイトル『鋼の肉体』から着想を得ましたが、思ったより長くなったのでスレ立てしました よろしくお願いします 2 : ◆axPwtNeSoU 2018/04/19(木) 16:17:14.38 ID:DK+aCMTA0 女神さまの手違いにより、本来遭遇するはずではなかったトラック事故に巻き込まれて死亡した俺。 残念ながら、そのまま俺を生き返らせることは、女神さまにも不可能だったらしい。 その代わりに、女神さまは俺に、ゲームのようなレベルやステータス、スキルが存在する異世界への転生――厳密に言えば、転移か?をさせてくれることになった。 それも、あるチート能力のオマケ付きで。 能力の名は―― 《継ぎ接ぎだらけの技巧士(スキル・パッチワーカー)》。 ゲームの設定画面のように目の前の視界に表示されるウィンドウで、「スキル」と呼ばれる特殊能力をセットすると、そのスキルをまるで熟練者のように扱えるようになる、というものだ。 転生したてで1レベルの俺が、一度にセットできるスキルはひとつだけだが、レベルが上がるごとに、セットできるスキルの数が増えていくらしい。 1度セットすると30分は別のスキルに変更できない、という制限はあるが、戦闘以外の面でも応用性が高く、成長すれば無敵の俺TUEEEE系主人公生活も夢じゃない、まさにチートというべき能力だ。 (……能力が使えるようになるのは転生(転移)完了直後からだけど、大サービスで、最初から選択・セット可能なスキル100個の詰め合わせも追加しといてあげたわ! ゴミスキルも多いけど、レアスキルも1つは確実に入ってるはずだから、有効に使ってね!) 至れり尽くせりの女神さまのその言葉とともに異世界に飛ばされた俺は―――― 「ちっくしょおぉぉっ、なんなんだよこのクソゲー仕様はぁっ!!」 ――――転生(転移)した瞬間、偶然その場に居合わせたゴブリンに襲われて、いきなり死にかけていた。 3 : ◆axPwtNeSoU 2018/04/19(木) 16:21:43.53 ID:DK+aCMTA0 「うわぁっ、来るなっ、来るなっ、あっち行けぇっ!」 たかがゴブリン、とか侮るなかれ。 こちとら平和な日本のぬるま湯育ちのオタク高校生なのだ。 目を血走らせ牙を剥き出して、殺意満タンで錆びたナイフ片手に自分を殺しにかかってくる緑色の子鬼を前にして、冷静でいられる訳がない。 既に数ヶ所斬りつけられた身体のあちこちからは血が流れ、今まで経験したこともないような痛みをズキズキと訴えてくる。 傍に落ちていた木の枝をとっさに拾い上げることができたのは僥倖だったが、パニック気味に振り回すことしか出来ない。 ゴブリンは既にこちらの力量を見切ったのだろう、猫がネズミをいたぶるような、いやらしい笑みをニタニタと浮かべている。 続きを読む