テレビを見ない人たちが増えてきたのは当然だ。なぜならばチャネルが増えたからだ。コンテンツに触れている時間は多分増減していないと思う。 オススメ記事 10代後半~20代の6人に1人は1カ月以内にテレビ視聴していない――サイバーエージェントが運営する「オンラインビデオ総研」によるテレビ接触頻度調査で、若者のテレビ離れが加速している実態が浮き彫りになった。 テレビ視聴6分類の調査結果 年代別×「ローテレ系」の前回調査比較 テレビ視聴が平日1時間以下かつ休日2時間以下の「ローテレ」層は38.6%。前回調査時(2015年10月)の37.4%を上回り、特に若者で伸び率が高かった。 20代(44.8%)では前回調査から6ポイント増と、全年代の中で1番伸び率が高かった。10代後半に至っては48.4%(5ポイント増)と、「ローテレ」層が半数に迫る勢いだった。 年代別×テレビ視聴6分類の調査結果 さらに、10代後半の14.5%と、20代の15.0%は、テレビを保有しない、または1カ月以内にテレビを視聴したことがない「ノンテレ」層だった。10代後半から20代の6人に1人はテレビとの接触がほとんどないことになる。 調査は2018年2月に、15~69歳の2万人を対象にインターネット上で実施した。 via: 「若者のテレビ離れ」加速 6人に1人「1カ月以内にテレビ視聴なし」 – ITmedia ビジネスオンライン テレビとはなんだったのか テレビ。それはマスメディアを代表する巨大なコンテンツネットワークでした。しかし、テレビという概念は実は二つに分離することができます。それはテレビ番組というコンテンツとしての側面と、テレビのための放送通信ーネットワークーの側面です。これまでテレビとは当然ながらそれが一体となったものとして考えられてきました。何故ならば、テレビ番組を作り放送するということができるのはテレビだけだったからです。 もう少し正確にいうと、動画コンテンツを作って発信することができるのが、です。映画が少し別のものとして存在するのは確かですが、テレビと違って全国にどの家にもあるようなものではなく、映画は特別なものであってテレビはもっと日常的なものだと言えるでしょう。動画という強烈なコンテンツをこれまで作って配信できるのはテレビだけだったのです。そこでは特権的なパワーが当然生じます。 テレビとは、すなわちコンテンツと配信チャネルが一体化したものでした。そして今やもう、その二つの蜜月関係は終わってしまったのです。何故ならば、動画は誰でも作れる時代になり、個人のユーチューバーが発信することも当然になりました。そして今youtubeの名を出した通り、作られてコンテンツはテレビではなくて違うチャネルで公開・視聴されるのも当然になったのです。むしろこの状態で今まで通りテレビが見られ続けることの方が不思議です。 何故なら、テレビは家にせいぜい1−2台しか置けない。外出中に見られない。寝転がって見ることもできない。リアルタイムでの放送ばかりで後から自由に見ることもできない。CMが多い。などなど、携帯などで見る方がはるかに全体としての体験が素晴らしいからです。テレビをわざわざ見る必要は全くない。チャンネル争いをする必要もない。 結局コンテンツが重要 しかし面白いのは、テレビでユーチューバーの動画が流されたりすることもあるということ。面白いコンテンツであれば別に個人で作ったホームビデオだろうが流していたテレビですから当然ですよね。ユーチューバーも自分のところにお金が入ってくるのであればそのチャネルがユーチューブであろうとテレビだろうとあまり気にしないでしょう。チャネルではなくコンテンツがあくまで金の卵なのです。 少し話は飛びますが、今後AIの発達とともにどんどん人間の労働は減ると言われています。その中で唯一人間が求められる働きの一つがエンターテイメントを作ること。人を楽しませることだと言われています。今のAIではまだまだ人間が楽しめるようなエンターテイメントを生み出すことはできません。そこに人間の可能性が待っているのでしょう。逆にいうと、人を楽しませることのできない人たちはその社会では何の価値も発揮できないのかもしれませんが…。