転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1393940904/ 1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 22:48:24 ID:0O71LnaM 俺には幼馴染がいた。とびっきりの美人でモテていた。 あいつが小学5年生を越えたあたりから、男子は彼女に夢中だった。 毎日一緒に登校していた。 小学校っていうのはグループ登校で、一緒にいたかったわけじゃなかった。 あいつは俺のことなんてお構いなしに、マシンガントークを繰り広げているような娘だった。 あいつは、どんな人とでも仲良くなれた。 とにかく顔が広くて、どこへ行くにも常に一緒にいる人がいた。 母親同士、とても仲が良くって一緒に夕ご飯を食べることが多かった。 食べ終わるとお互いの部屋で一緒に遊んでいた。 あいつとは、話が合わなかった。 趣味が異なり、好みもバラバラ。 よく今まで、一緒にいられたものだと感心するくらい。 一緒にいたかったわけではなかった。 あいつといると、俺がダメなやつだと周りから責められるようだった。 2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 22:50:07 ID:0O71LnaM 放課後を知らせるチャイムが鳴った。 「早く行こうよ」彼女はそう言った。 俺たちは映画を見に行く約束をしていた。 見る映画は「アイアンマン」 俺がとにかく好きで、彼女は興味がなさそうだったけれど、 「君が見たいんでしょ?なら見に行こうよ。今度は私の番だから」といって 付き合ってくれた。 上映が終わると彼女ははしゃいでいた。 「なにあのスーツ!!」 彼女は男のロマンがわかるやつだった。 3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 22:51:02 ID:0O71LnaM 彼女はちょっとお高いハンバーガーショップへ行きたがった。 彼女はあのお店のクラムチャウダーが好きなんだ。 彼女はアサリが好物だと言っていた。 「次はどんな映画を見ようか」俺は彼女に尋ねた。 彼女はしばらく考えていたけれど、ちょっとためらうように 「君の家に行ってもいい?」そう答えた。 「何を見るつもりなの?」俺は映画のことしか頭にないんだろうか。 彼女はあきれたように俺を見つめていた。 俺は目をそらした。額に汗がにじんでいた。 4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 22:51:57 ID:0O71LnaM 土曜日になり、彼女は予告通り俺の家にやってきた。 「今日見ようと思っているのはこれです。」 そう言って、彼女は「ロメオとジュリエット」をとりだした。 俺たちはいい雰囲気だった。 俺たちは映画館で映画を見ることをやめ、レンタルショップでDVDを借りてくるようになった。 俺たちは、毎日のように映画を見ていた。 でも、映画を見ている人間なんていなかった。 続きを読む