◆パラグアイとコロンビアには雲泥の差がある パラグアイとのテストマッチに臨んだ日本代表は、4-2で西野体制初勝利を挙げた。ワールドカップを前にようやく結果を残せたのだから、選手たちの表情も明るかった。 だけど決して勘違いしてはいけないよ。理解してほしいのは、新チームに切り替わったばかりのパラグアイのレベルが相当に低かったということ。 ワールドカップ初戦で当たるコロンビアと比べれば雲泥の差だ。日本が強いのではなく、相手のパフォーマンスが酷かったことを肝に銘じなくてはいけない。 だからこそ、この相手に2失点した事実に危機感を持つべきだし、4ゴールを奪ったからって喜んではいられない。 前半のチャンスを活かせば、もっと点を取れていたはずだし、ワールドカップで勝つ気があるならもっと点差をつけなくちゃいけなかったんだ。 香川の4点目にしても、相手DFの対応はアマチュアチームのような緩さだった。あれで決められないほうがおかしいよ。 そもそもパラグアイは、この試合で代表引退となるベテランGKを先発させ、試合開始10分で交代させる余裕を見せていた。 勝負に徹するなら貴重な交代枠を1枚削るようなマネはしないはずだし、この采配からも日本戦に向けたスタンスが感じ取れたよ。 なのに日本はワンチャンスで、先制点を許してしまった。強烈なシュートを決めたロメロの個人技は光ったが、コロンビアのハメスやファルカオのレベルは彼より上だ。 CBの昌子やボランチの柴崎は身体を投げ出してでもブロックをしなくちゃいけなかったのだから、大きな反省材料と言える。 パラグアイ戦の収穫と言えば誰も怪我をしなかったことくらいだろう。なにせコロンビア戦への強化というより、選手のコンディション調整のために組まれたようなゲームだったからね。 2ゴールと結果を残した乾。でもスイス戦のプレーも思い出したい。 ◆ベンチメンバーは笑って見ていたよ 2ゴールを挙げた乾や、トドメの4点目を決めた香川を評価する声もある。ただ思い出してほしいのは、 彼らは時間が短かったからといって先日のスイス戦にも出場し、パラグアイ戦のようなプレーは見せられなかったということだ。 逆にスイス戦で先発したメンバーが、パラグアイ戦でスタメン出場しても、香川や乾くらいのプレーを見せられたかもしれない。現にテレビに映し出されたベンチメンバーは笑って試合を観ていた。 緊張感はないのかと言いたくなったけど、「これだったら俺らだってできたぜ」と感じていたんじゃないかな。 繰り返しになるけど、パラグアイ戦の結果で勘違いをしてはいけない。レベルが低い相手に勝って錯覚するのは、日本代表がこの4年間辿ってきた道と同じだ。 国内の親善試合ではワールドクラスの相手と戦わず、自分たちの力を過大評価して、ブラジルやベルギーと対戦すると、力の差を見せ付けられる。 パラグアイのような相手はこれまで何度も見てきたし、ハリルホジッチ体制のままだったとしても勝てていたはずだ。 だからこの勝利はすぐにでも忘れてほしい。今のイメージのままコロンビア戦に臨めば、そのギャップに驚かされるはずだ。 西野監督には「良くやった」と選手を褒めるよりも、「もっとできたはずだ」と鼓舞してほしいね。そうしないと本当にワールドカップでは辛い現実を突き付けられてしまうよ。 つづく サッカーダイジェスト https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180613-00041992-sdigestw-socc&p=1 続きを読む