156: 名無し三等兵 コラム⑥●英国の「空の墓標」 英陸軍のダンケルク撤退にあたって、英空軍は戦闘機を延べ2739機、 爆撃機を延べ651機、偵察機を延べ171機出撃させて掩護したが、陸軍兵士 には襲い掛かるドイツ機しか目に入らなかった。ほうほうの態で逃げ帰った 彼らはドーヴァーの街頭で空の勇士を吊るし上げ、メディアにも空軍の 不甲斐なさを声高に訴える。英本土決戦に備えるダヴディング大将が 16個飛行中隊しか使わせなかったのも確かに不十分な掩護の一因であった。 救出作戦の真っ最中である5月31日、第213中隊のハリケーン搭乗員 R・D・G・ワイト中尉は母親へこう書き送った。 続きを読む