転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1438178101/ 1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/29(水) 22:55:01 ID:LBRGaJYM 妖狐・河童・鬼「「「え~……」」」」 妖狐「まぁ、食料も碌にない中で我らの相手をして頂いておりましたし、致し方ないことではありましょうが……」 鬼「そんくらい若い男なら平気だろ?眠気より食い気より色気のくせに」 河童「愛さえあればなんでもできるんじゃねぇのかー!?愛こそ全てだべ!!心に愛が無ければ英雄豪傑じゃねぇんだべ!!!」 浪人「何日も前から碌にものを食っておらんのに精など出せるわけなかろうが。あと『すぅぱぁひぃろう』とは何だ?またぞろ狐に何か吹き込まれたな?」 鬼「んで?腹ン中には代わりに何を入れりゃあいいってんだよ?腹ン中空っぽじゃあ力出ねぇぞ?」 浪人「それを聞きたいの俺の方だ…… ああ、以前にもキツく申し渡したが盗みや物取りのような真似はするなよ?」 河童「あれ、そんなん言ってたべか?まぁ、主様が駄目だっていうならやらねーだ」 鬼「それならどーすりゃあいいってんだ?金も無い、精も食いもんも無いってんじゃ俺ら全員飢え死にだぜ?」 浪人「もういっそそれでいくか?武士は食わねど高楊枝、腎虚も物取りに身をやつすのも御免被る」 妖狐「しかし、何事も経験であると言いますぞ?人間の言葉にも『やらない後悔よりやる後悔』というものがありましたような……」 浪人「何をほざきおるか!道に背くことなくお天道様に恥じることもないような生き方こそが武士の生き様よ!」 2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/29(水) 23:00:06 ID:LBRGaJYM 鬼「バーカ、武士の心意気だか何だか知らねぇがそんなもんで腹がふくれるかよ」 河童「死んで花実が咲くものかー、命あっての物種、命に過ぎたる宝なし、だべ!」 浪人「五月蠅い!貴様ら妖怪如きに武士の生き様がわかってたまるか!!それと狐よ、河童に妙なことを教えるなと申したであろうが!!!」 妖狐「ほっほっほ。河童はむつかしい言葉を知っておるのぅ。どれ、頭を撫ででやろう」 河童「でへへぇ~」 浪人「親馬鹿か!」 鬼「んで主様?結局俺らには何を食わせてくれるんだ?」 浪人「……前から思っておったが、どうして俺が勝手についてきた貴様らの食事の面倒まで見てやらねばならんのだ?」 3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/29(水) 23:05:14 ID:LBRGaJYM 鬼「えぇ~っと…… ああ、あれだ。俺はお前の弟子になってやったんだ。師匠が弟子の面倒を見るのは当たり前だろ?」 浪人「俺がいつお前なんぞを弟子にした!自分の食い扶持にも困っているというのにそんな余裕あるかぁ!!」 鬼「だから俺らが食いもん諦めてやるから、代わりにお前の精を寄越せって言ってんだろうが!」 浪人「だから食うものも食わずして精など出せるか!どうしてもと言うのなら、そこらから鳥なり何なりを捕まえて来んか!!」 鬼「おっと、その手には乗らねぇぞ?そうやってお前の傍から離れた隙に俺らを置いていくつもりなんだろう?」 浪人「しまった、その手があったか…… よし、貴様ら今すぐ何か食いものを取ってこい」 鬼「今のお前の台詞を聞いて『はいそうですか』って行く馬鹿がいるかよ」 妖狐「だそうじゃ。そんな阿呆にならぬよう河童よ、ここにおれ」 河童「ほえ?食いもの探しに行かんでええのか?」 4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/29(水) 23:10:25 ID:LBRGaJYM 浪人「はぁ…… 今更だが貴様ら何で頼んでもないのに俺についてくるのだ?」 妖狐「本当に今更ですの。まぁ、それは我らが主様をお慕いしておりますからですじゃ」 浪人「そんなふざけた理由は聞いておらん」 妖狐「ふざけてなどおりませぬのに…… ま、理由の一つとして主様のお持ちになっている太刀から離れられぬこととか」 浪人「ならば今すぐもう一度封じられよ。その後は今度こそ誰も封印を解かぬような場所に収めてやる。で、貴様は?」 鬼「俺はお前の弟子だからな、師匠に付き従うのが弟子ってもんだろう?」 浪人「だから俺がいつお前を弟子にした!?ええいもう、弟子だと言うなら今すぐ破門だ!早々に立ち去れ!!で、最後は貴様だ」 河童「主様に助けてもらったからそのご恩返しがしてぇ!」 浪人「相分かった。今すぐ俺の元を去れ、それが一番の恩返しだ!」 河童「えぇ~……」 続きを読む