酔ってるときに色々やっちゃうのは仕方ないよね、そんな風にこれらの悪質な加害行為を許してはならないだろう。 オススメ記事 ■「セクハラ」と「強制わいせつ」の原因となったもの 財務省の福田淳一(前)事務次官のセクハラ問題と、TOKIOの山口達也氏の強制わいせつ問題という2つの事件が騒がれている。 山口達也氏の強制わいせつ事件は2ヶ月前に発生したことなので、都合良く同時期にこういった同じタイプの事件が問題になるということに不自然さを感じる向きもあるようだ。しかし今回はそのことは置いておいて、別の角度から、この2つの問題を取り上げてみたいと思う。 まず、この2つの事件は、報道されていることが真実であるなら、どちらも「酔っぱらい」が起こした事件だということである。 酩酊状態になり気分が高揚(理性が麻痺)した人間は、通常時では考えられないほど大胆な行動に出てしまうことは誰もが認めるところだ。 重要な立場にいる官僚が、女性記者に対してセクハラ発言をしたり、有名芸能人が、未成年の女性を軽はずみに部屋に招き入れるといったことも、酔っぱらっているからこそできる行為だとも言える。 女性記者と食事をして話すだけとか、未成年女性を部屋に呼んで話すだけなら、問題にならなかったことが、お酒を飲んだ影響で、ハメを外してしまったことが、2人の男性を窮地に陥れてしまった。つまり、この2つの事件における本当の問題は、「理性を失うまでお酒を飲んでしまった」ことにある。しかしそれは、お酒が悪いというわけではなく、お酒を飲み過ぎてしまったという意味では本人の問題であり、どちらも脇が甘過ぎたという意味では自業自得である。 ■例え話で考える有名人と高校生の関係 山口達也氏は悪い意味での「時の人」になってしまったが、彼は、以前にも、運転免許証の更新を忘れたことで謝罪会見をしたことがあった。当時、ブログ記事で彼を擁護した御縁もあるので、今回も少しだけ擁護しておきたいと思う。 【関連記事】3分間のお辞儀が行われる社会の是非 「強制わいせつ」などという言葉を聞くと条件反射的に「悪だ!」と思い込んでしまい、論理を受け付けない人がいるかもしれないので、この問題を男女を入れ替えて考えてみよう。 仮に、あなたが男子高校生だとして、綺麗な熟女芸能人に声をかけられて、女性の部屋まで付いて行った場合を考えてみよう。 部屋で少し会話した後、酔っぱらった熟女芸能人からキスをされ、あなたは恐くなって部屋から逃げてしまう。その行為は別に普通だと思えるが、その後、その女性を強制わいせつ罪で訴えるというのは、普通に考えると不自然だと思う。 あなたが熟女芸能人に強制的に部屋に連れて行かれ、無理矢理キスされたというなら理解もできるが、少なくとも、あなたは同意の上で、女性の部屋まで同行しているのだから、そこまでするほど悪質なケースとは言えないと思う。無論、強姦されたというなら話は別だが、部屋まで付いて行ったあなたにも全く責任が無いとは言えないはずだ。 但し、あなたが、酔っぱらって理性を無くした人間がどれだけ性質(タチ)が悪いかを知らないほどにウブな少年だったというなら、これまた話は別だ。しかし、小学生や中学生ならともかく、今時の夜の街を徘徊している高校生が、そこまでウブだとは思えない。本当にウブな人なら、部屋まで付いて行くことすら拒否するだろう。 ■「泥酔状態を憎んで人を憎まず」 話を元に戻そう。 結局、「セクハラ行為が悪い」、「強制わいせつ行為が悪い」、と言っても、今回の2つの事件に限って言えば、その悪い行為に及んだ人間は、素の状態でなく、どちらも酔っぱらっていた。その部分を無視して、罪状だけで「悪」と断罪するのは、結果だけしか見ていないということになる。 このことは、ある意味、戦時下にある人間の精神状態と、平和時の人間の精神状態の違いを考慮せず、戦時下の人間の行為を断罪する姿勢と同じようなものだと言えるのかもしれない。 「罪を憎んで人を憎まず」という有名な言葉があるが、酔っぱらいに対して「罪を憎んで人も憎む」になってしまっては救いが無い。「強制わいせつを憎んで山口達也も憎む」ではなく、「(強制わいせつに及んだ)泥酔状態を憎んで人は憎まず」という考えがあってもいいのではないかと思う。「泥酔するまで飲酒する行為」を憎んでこそ、今後、このような事件を未然に防ぐことに繋がる。 逆に、「泥酔するまで飲酒する行為」を無視して、結果としての罪(強制わいせつ)を憎み、人も憎むでは、何の解決策にも繋がらない。 幸いにして、被害者女性の家族も「この過ちで1人の人間の未来がすべて奪われてしまうことは、私たちも望んでいません」と述べておられるので、ここは、山口達也氏が、泥酔するまで飲まなくなるようになることを信じて、謹慎期間が過ぎるまで静かに時を待つのが大人の対応というものだと思う。 via: 「セクハラ問題」と「強制わいせつ問題」の共通点 何言ってんだこの人 ちょっと信じられないんですが、この人は一体何を言っているんですか? お酒の席での加害行為だから仕方ない、憎むべきはお酒であって人ではないって言っているんですか? お酒を飲んでいる時にやってしまった加害行為はその人のせいではないと言ってるんですか? 法的観点から考えても明らかに無茶がありますね。 まず第一に、この世界には飲酒運転に対する罰がありますよね。飲酒して人を轢き殺しても罪にならないわけがない。なぜならば、飲酒運転は極めて危険なものであって、人を殺す可能性もあり、それをわかった上で酒を飲んで車に乗るのは明らかに問題だからです。つまり、お酒を飲むことによってなんらかの加害行為が発生する可能性があるのに自分の意思で飲んだ場合、それは飲んだ人間に責任が発生するのです。当然のことですね。 今回のケースも正しくそうでしょう。お酒を飲むことによって人に加害することは当然予測されるものです。この人が言うとおり、お酒を飲むとついつい羽目をはずしてわけのわからないことをしてしまうのですから。この人はいみじくも、お酒を飲んで悪いことをする人間が「そうなることを予期しながら飲んでいること」に言及しているのです。これが飲んだ人間に責任がある最もわかりやすい理由ですから、彼が言っていることは完全に破綻しています。 自分が加害行為をするような状況になることが予想され、しかもそれを誰にも強制されていないとするならば、その加害する状況を生み出した人間が被害に対して責任を取るのは当然のことです。あまりにも当たり前のことすぎて、この人が言っていることの意味が全くわかりません。 酒を言い訳にするな よしんば、彼が言っていることが唯一理解出来るための最大限の譲歩をするとするならば、酒を飲んでの行為が本当に初めてだった場合に限ってもしかしたらそのような譲歩が可能かもしれません。もちろん罪であることは間違いありませんが、情状酌量の余地があるでしょう。飲酒をすることに寄って自分がどれだけ酷い状況になるか想像がつかないことは、本当に初めてであればもしかしたらありえるかもしれません。 しかし、今回話題になっている二人が行ってしまった問題、これが初めてだとは思えません。その可能性はあまりにも低いでしょう。であるならば、当然彼らを許すことは出来ない。非常にシンプルな理屈です。