転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1441210098/ 1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/03(木) 01:08:18 ID:kObLWqNU ― 城 ― 大臣「ついに勇者殿が、魔王を倒されましたな!」 魔術師「ええ、これでようやく我が国に平和が戻るというものです」 国王「うむ……」 国王「つまり、もはや勇者は用済みということだ」 大臣&魔術師「え!?」 2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/03(木) 01:13:19 ID:kObLWqNU 大臣「陛下、それはどういう……!?」 国王「分からぬか。勇者をこのまま生かしておけば」 国王「民衆からの支持を獲得し、余をしのぐ権威を持つことになりかねんのだぞ」 国王「しかも、余の娘は勇者を好いているようだし、勇者もまんざらでもないようだ」 国王「もし、勇者と娘が結ばれるようなことになれば、余の王位すら危うくなる」 国王「なんとしても、今のうちに始末せねばならん」 大臣「は、はぁ……なるほど……」 魔術師「たしかに……ありえない話ではありませんね」 3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/03(木) 01:17:09 ID:kObLWqNU 大臣「しかし……方法はどうするのです?」 大臣「刺客を送り込むのですか? それとも真正面から兵をぶつけるのですか?」 魔術師「あるいは魔法での狙い撃ち……食事に毒を盛るといった方法もありますね」 国王「バカめ……相手は勇者だぞ?」 国王「そんなありふれた方法が通用する相手ではあるまい」 大臣「では、どうされるので……!?」 国王「余がやる」 大臣&魔術師「!?」 4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/03(木) 01:24:24 ID:kObLWqNU その日の深夜―― 玉座の間に、一人の青年が訪れた。 魔王を打ち倒し、今や国民的英雄となった勇者である。 勇者「お待たせいたしました、陛下」 勇者「しかし、こんな夜更けに城で二人きりで会いたいとは――」 勇者「いったいどんなご用ですか?」 国王「ふむ、用件というのは他でもない」 国王「勇者よ、おぬしにはここで死んでもらう」 勇者「!」 続きを読む