転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524553972/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/24(火) 16:12:52.10 ID:Jr7hzdqHO ■二秒で理解(分か)る注意書 唐辺葉介という私が好きな作家の作品とガルパンをごちゃ混ぜしたSSです。 ネタバレは自己責任でGO! 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/24(火) 16:14:34.37 ID:Jr7hzdqHO 《序章》 こう、抱き枕にしているボコのぬいぐるみを見ると、左腕の色がくすんでいるような気がするのだよね。 思うにこれはボコの、特に左腕を枕に寝ているのが悪いのだ。お気に入りなのに染みを作ってしまった。朝から嫌な気分になってしまったぞ。 ああ、そうだ、そうだ。朝なのだ。 時計を見ればもう7時が近い。 大洗に来た当初は、実家の癖が抜けきっていなかったのか、朝はそれは機敏な動きで起床していたんだ。 なのに、ここにきて私の生来の怠惰な部分が出てしまった。 近頃は毎日のように遅刻してしまっているのに、「西住さんは転校生だから」という理由で叱られずに済んでいる。 よくない事だ。世の中にある人の優しさは有限なのだ。 こんな事で私が優しくされる訳にはいかない。 意を決して私はのろりのろりと布団から抜け出したんです。 今日は珍しく昼食に誘われた。 こんな私の何処が気に入ったのかしら世の中には変わった人達がいるものだなあ。 五十鈴華さんと武部沙織というらしい。 二人は選択科目が気になるらしく、しきりにそのことばかり話し込んでいた。 沙織さんは明るくて話しやすいので私は彼女が気に入った。 五十鈴さんは真面目そうなのに、そのくせ食欲は旺盛だった。 こんな真面目なそうな顔をしながらも、料理を口にしたときは、これはおいしい、これはマズイとか感じているのだろうか。 それとも、意識は話に集中していて、何も考えずに機械のように無意識に食べ続けているだけなのだろうか。 私は話の内容よりも、それが気になってしかたなかった。 3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/24(火) 16:16:30.59 ID:Jr7hzdqHO 《一》 校内放送で生徒会室に呼び出され、なんのことかと思いきや、生徒会長に戦車道の選択科目を取れとのことでした。 私は戦車なんて、ほとほと嫌気がさしてたので断りたかったし、実際にそう言って断った。 生徒会長はそれでも強気で勧誘するものだから、華さんと沙織さんも反発した。 だけど、戦車道を履修しなければ退学にすると会長に言われ、大人しく口を詰むぐしかなかったようだ。 私としては、戦車道の熱意なんてものは、ハナから持ち合わせていない上に、最近じゃあ向学意欲だって怪しい所だったので、退学であっても構わなかった。 いやでもしかしだ。退学になれば、実家に戻るくらいしか選択肢は無い。 どうにもあの家は私にとって居心地がよろしくなくて、母と姉とは反りが合わないとは常々感じていたんだ。 悲しいことだ。本当は家族とも仲良くしたいのに、上手くいった試しがない。 だから、みんなが私のことはほっといてくれたらそれが一番いいんだ。 気にかけてなんて貰わなくたって、私は一人で充分楽しいのに。 結局、実家と向学意欲を天秤にかけた末に、私は戦車道の履修をすることにしました。 呆れたことに、生徒会長は戦車道大会に出場して、そのうえ優勝までしたいらしい。 にもかかわらず肝心の戦車が無いから探せときたもんだ。これでやる気を出せと言う方がどうかしている。 続きを読む