転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524430054/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/23(月) 05:47:35.14 ID:uXJfJ2s20 『第2話 マジでセクシーなタチバナです』 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/23(月) 05:48:06.62 ID:uXJfJ2s20 ――東京都内、橘宅(玄関) ガチャッ! ありす「いってきます」 ――私は橘ありす。どこにでもいるごく普通の女子小学生です。あえて、違うところがあるとすれば、アイドルとして活動しているのと……。 ゆっこ「おはようございます、ありすちゃん!」ヒューンッ ありす「おはようございます。昨日はどこに行ってたんですか?」タッタッタッタッ…… ゆっこ「ちょっと文香さんのお家にお邪魔してました。いやー、たまには他の場所でお泊りするのも楽しいですからね!」 ありす「図々しい妖精ですね」 ゆっこ「ま、さすらいの妖精ですから」 ありす「まったく……あまり文香さんを困らせないでくださいね」 ゆっこ「わかってますって。魔法少女のありすちゃんのお家にいないと、いざというときに困りますからね!」フワフワ ――私は先月、魔法少女になりました。 ありす「おはようございます。文香さん」 3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/23(月) 05:48:36.14 ID:uXJfJ2s20 文香「おはようございます……今日は、体育の授業が、あるんですか?」 ありす「あ、この体操着ですか? はい、午後に跳び箱の授業があって」 ――この人は鷺沢文香さんです。近所で書店を営んでいる叔父さんのお手伝いをしている聡明な方です。今年の春に大学生になりました。 ゆっこ「おはようございます! 文香さんは、今日は事務所ですか?」 文香「おはようございます……午前の講義を受けた後に、午後から、ボーカルトレーニングが……」 ゆっこ「そういえば昨日頂いた筑前煮、とても美味しかったです! まだ残ってますか?」 文香「昨夜のなら、余ったものが冷蔵庫に……」 ゆっこ「それじゃありすちゃんを学校に送った後でごちそうになります!」 ありす「あなた……それは図々しいにも程があると思いますが……」 ゆっこ「いやぁ、この世界のご飯は美味しいですねぇ……妖精の舌にもバッチリです」 ――まあ、この変な妖精に乗せられて、成り行きで魔法少女になった、といったところでしょうか。 ありす「私も学校が終わったら事務所に行きますので、夕方は一緒に帰りませんか?」 文香「はい……待ってます」 ありす「それじゃあ、行ってきます」タッタッタッタ…… …… ………… 4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/23(月) 05:51:07.91 ID:uXJfJ2s20 ――午前、ありすの通う学校 「イチゴクレープが食べたいー!」 「イチゴのサンドイッチが簡単じゃない?」 ありす「何を言っているんですか。ここはイチゴパスタを作る以外に有り得ません」 「えー、イチゴにスパゲティってマズそう」 「絶対おいしくないって」 ありす「聞き捨てなりませんね。イチゴパスタはここ最近、ナウなヤングにバカウケの料理なんですよ」 「ええええー? 嘘だー!」 ゆっこ『ありすちゃん、さっきから何を揉めてるんですか?』 ありす『ああユッコさん。念話ですか……いえ、明後日の家庭科の授業でやる調理実習で作る料理について、班の中で何にするか決まらなくて……イチゴを使わなきゃならないんですけど』 ゆっこ『それならイチゴサンドにしましょうよ。ユッコも食べたいです』 ありす『何を言ってるんですか。イチゴパスタ以外に作る物なんてありませんよ』 ゆっこ『ええー……それ、絶対マズイですよ。マジカルランドでもイチゴパスタなんて見ませんし。というか、ファミレスとかに行っても全然見ないメニューじゃないですか』 ありす『それは腕の悪い料理人が多いだけです。しっかりと調理すれば、美味しいイチゴパスタになります』 ゆっこ『それって大多数の料理人が作ってもマズイだけってことじゃないですか。やめましょうよそんなの、ありすちゃんが美味しく作れると思えませんし』 ありす『これだから住所不定無職の妖精は……』 ゆっこ『あーっ! なんですかその言い方は! ユッコだって王国に家くらいありますよ! 失礼ですねもうっ!』 …… ………… 続きを読む