転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523886750/ 3 : ◆ly5pzZ3c695a 2018/04/16(月) 22:57:11.62 ID:Yo4/p9EmO すみませんちょっとトリップ失敗しました。 地の文あり、二万字程度で完結、他サイトで投稿済みのヤツ投稿します。 気が向いたら読んで素直な感想ください。辛口歓迎。 4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/16(月) 22:59:19.89 ID:Yo4/p9EmO 「お兄ちゃん手伝ってっ!」 「いやなにを」 その時の俺は、自室のベッドに寝転びながら携帯をいじっていた。 風呂上がりのラフな格好でバーンと俺の部屋にやってきた我が妹、愛華(あいか)。 なんの脈絡もなく飛び出してきたその言葉は、かなり具体性にかける。 とはいえ、別に驚くことではない。ウチの妹が思いつきで行動を起こすのはよくあることだ。 その度に振り回されるのは愛華の周囲にいる人たち。つまりクラスメイトや友人、家族である。そしてその中にはもちろん俺も含まれていた。 「今度は何なんだよ」 俺はのっそり体を起こしながら、愛華の方に向かい合う。 彼女の顔を見てすぐにわかったが、何だか楽しそうである。 機嫌がいいのが一目で分かった。 6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/16(月) 23:02:09.79 ID:Yo4/p9EmO 当たり前のように愛華は部屋に侵入してくる。 もし俺が彼女の部屋に入ったら二秒と経たず蹴り出された挙句「だからお兄ちゃんはモテないんじゃないの?」と、割とマジなトーンで吐き捨てられる。 愛華は使用されない勉強机の前にあるクルクル回るイスを引き寄せると、背もたれを抱きしめるように逆向きに座った。 「なんかいいことでもあったのか?」 「ふふ、実はねー、好きな人が出来たんだー」 「ほーん。それで?」 何気なく聞き返すが、正直嫌な予感がする。 もう高校生にもなる訳だし、妹の恋路だって……まぁ、気にならないと言えばウソになるが、俺が口出しすることじゃない。 いや、問題はそこではなく、今から愛華が俺にいう内容が果てしなくめんどくさいという気がしてならないのだ。 「それでねー」 愛華はクルクル回るイスで、自分もクルクル回りながら、恥ずかしそうに?に手を当てる。 たぶん、これは本気で恥ずかしがっている訳ではなく、そんな風に装ってるだけだろう。 ウチの妹にはこういうところがある。 7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/16(月) 23:03:39.35 ID:Yo4/p9EmO なんていうか一言で言えば、自分を可愛く見せようとする。 この年頃の女の子であれば普通のことなんだろうけど(まぁ実際はどうなのか知らんが)、愛華はそれを極自然にやるからすごいと思う。 俺ですらそれが素なのか演技してるのかよく分からん時があるくらいだ。 「その好きな人ってのが、お兄ちゃんと同じクラスの人なの」 「マジかよ」 別に妹の恋路を邪魔する気はないが、それは何か嫌である。 ハッキリと説明はできないが、なんか嫌だ。 「え、誰?」 それでも気になる。ていうか、どのみち聞かされてしまうだろう。 てか、既に愛華が俺に何を頼もうとしているのか分かった。 「知ってるでしょ? テニス部の藍坂(あいざか)先輩。 だからお兄ちゃんにちょっと手伝ってもらいなって」 あー、あいつね、あいつ。まぁ、悪い奴ではないし、別に止めはしないけど、なんかなぁ。 あいつ天性のイケメンだからな。顔もトップアイドル並みだし、性格もいい。 まるで少女漫画の正統派ヒーローみたいな奴で、逆になんかなぁって思う。 派手好きの愛華が好きになるのも分かる。 続きを読む