転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409760408/ 1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/04(木) 01:06:58.69 ID:+Tuax3LO0 ――比企谷家、深夜。比企谷八幡、二十五歳。比企谷小町、二十三歳。 小町「お兄ちゃん、まだ起きてたんだ?」 八幡(家族の寝静まった頃。居間で少し親父の日本酒を飲んでいると、小町が顔を出した) 八幡「まあ。お前もまだ起きてたのかよ、さっきおやすみっつったろ」 小町「うーん、なんか寝れなくて。何見てるの?アルバム?」 八幡「ああ」 2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/09/04(木) 01:07:41.24 ID:+Tuax3LO0 小町「……へー、お兄ちゃんがそういうの見るって珍しいね」 八幡(小町は泣いているような笑っているような困っているような、そんなよく分からない顔をしていた) 八幡「いいだろ、別に。それより、明日は早いんだからもう寝ろよ」ポン 八幡(軽く頭を撫でてやると小町は目を細めた。そんな顔を見ていると、やっぱり昔から変わらないなと思う) 小町「うん。……でも、もうちょっとだけ。小町も一緒にアルバム見てていい?」 八幡「おう」 3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/09/04(木) 01:08:23.12 ID:+Tuax3LO0 八幡(返事をして、かるく日本酒をあおった) 八幡(これはまろやかな味わいが売りの日本酒だが、何故か今日はほろ苦く感じる) 八幡(そんな風に感じる自分の心境を自覚して、少しだけ苦い笑いがこぼれた) 八幡(最初のページからアルバムを眺め始めた小町を置いて、窓を開けて夜空を見上げる。三月の夜空には、たくさんの星が浮かんでいた。きっと明日の天気は良いだろう) 八幡(そんなことを確認して笑っている自分が、少しだけ可笑しい) 八幡(以前に、由比ヶ浜がカラオケで歌っていた曲を思い出す) 八幡「…………君が大人になっていく その季節が――……♪」 八幡(どうか、悲しい歌で溢れないように) 八幡(明日は、小町の結婚式だ) 八幡(アルバムの中の小町が、笑いながらこっちを見ていた) 続きを読む