転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1413817815/ 1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/21(火) 00:10:15 ID:qJbL0K8U 太古の昔に自ら眠りについたといわれる炎の竜と氷の竜が、祀られている山がある。 この山のふもとにある町の住民はみな、この二頭の竜を崇めており、 町では年に一度『氷炎祭』という祭りが行われている。 さて、この町にはまるで二頭の竜の申し子のような、ある変わった夫婦がいた── 2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/21(火) 00:13:09 ID:qJbL0K8U 朝── < 自宅 > 妻「あなた……トーストとコーヒー」 夫「おう、ありがとよォ!」グビッ 夫「──って、なんだこりゃあ!?」ブッ 夫「ぬるい! ぬるすぎるぜ! こんなん飲めるかよォ!」ボォッ… 夫が炎をまとった手でコーヒーカップに触れると、コーヒーが瞬く間に沸騰した。 グツグツ…… ボコボコ…… 夫「やっぱ、コーヒーは沸騰してナンボだぜ!」グビグビッ 夫「うん、熱くてうめぇ!」 妻「……理解できない」 3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/21(火) 00:16:39 ID:qJbL0K8U 妻「やっぱりコーヒーは……凍ってるべき」パキィィン… 妻のコーヒーがシャーベット状になる。 妻「おいしいわ」ジャリジャリ… 夫「まぁ~た、それか!」 夫「それじゃコーヒーの風味もクソもねえだろ! てかアイスコーヒーでよくね!?」 妻「アイスコーヒーでも……私にはまだ熱いの」 夫「ハッ! オレこそ理解できねえよォ、まったく!」 二人はともに、魔法使いなのである。 といっても、彼らが暮らす地域では魔法教育がだいぶ進んでおり、 魔法を専門としない一般人の中にも基本的な魔法が使える者は珍しくない。 続きを読む