転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1413282968/ 1 : ◆uSEt4QqJNo 2014/10/14(火) 19:36:08 ID:dmHJbuwk 最近何やら部下がよそよそしい。 中には目さえ合わそうとはしない者もいる。 私は何かしただろうか? ――いや、何かした処ではないだろうが。 目的の為、大勢の部下を見殺しにしてきた私を恨む者もいるだろう。 何故あの時彼を置いてきた? 何故彼女の身体を持ち帰ってはいけないのか? 何故あのような非常な選択を? 幾度も耳に入れた悲痛な叫びだ。 全てに対する答えは矛盾するものだ。 ――その場においてより多くの者を生かす為。 納得してくれた者は如何程いたのか。 私には分からない。 分からなくていいとも思っている。 それ故に、恨まれていても構わない。 目的を果たすまで私は悪魔にでもなろう。 2 : ◆uSEt4QqJNo 2014/10/14(火) 19:36:43 ID:dmHJbuwk しかし 最近感じるよそよそしさは何かおかしい。 執務室へ向かう途中、見覚えのある後ろ姿に声を掛けた。 「リヴァイ」 名を呼ぶと彼は僅かだが身体を強張らせた。 「……エルヴィン、何か用か?」 いつもより更に表情を固くし、さっさと話せと目で訴えている。 「いや、特に重要な用と言う訳ではないが……」 「なら行っていいか? 少し急ぐ用がある」 「ああ、分かった」 3 : ◆uSEt4QqJNo 2014/10/14(火) 19:38:14 ID:dmHJbuwk 俺が承諾の意を最後まで言い切らぬ内に彼は踵を返し足早に去っていった。 何かリヴァイを怒らせるような事をしただろうか? とんと覚えがない。 「エルヴィンどうしたの?」 ふいに肩を叩かれ声を掛けられた。 「ああ、ハンジか。いや、リヴァイの様子がおかしい気がしてな」 「そう?」 俺は見逃さなかった。 ほんの一瞬だったが眼鏡の奥の目が泳いだ。 「……何か知っているな?」 「何が?」 続きを読む