転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1521496254/ 1: ◆wUaztDTmEFSH 2018/03/20(火) 06:50:54.75 ID:7uETQjbS0 ※はじめての投稿 ※地の文あり あまり褒められた文じゃないけど、お目汚しご容赦ください 2: ◆wUaztDTmEFSH 2018/03/20(火) 06:51:29.29 ID:7uETQjbS0 てーとくさん!」 煩雑に机に積み上げられた書類に目を通していると、部屋の外から元気の良い声が聞こえてきた。 この声は...。 「どうした、なにか用事か夕立。」 白露型駆逐艦の4番艦、夕立。 彼女の第三次ソロモン海における活躍は凄まじく、まさに鬼神のような戦いぶりだった...らしい。 眼の前に居る彼女は、白色にほんのりと淡い朱色が混じった髪をした可憐な少女だ。 ただ、その赤い色の瞳は獰猛的な何かを彷彿とさせる。 3: ◆wUaztDTmEFSH 2018/03/20(火) 06:52:05.02 ID:7uETQjbS0 「夕立ね、とっても暇っぽい!」 「暇と言われてもな。見ての通り俺にはまだ仕事があるんだ」 「むー。提督さんはいつもそればーっかり。そんなにお仕事が大事っぽい!?」 そう言われてしまうと、中々に困るものがある。 「参ったな...。」 右手で無意識に顎を撫でると、ジョリジョリ、と朝に剃りのこした髭の不快な感触が指に伝わる。 「ちょっと待ってくれ」 「?」 執務机の引き出しを上から順に開けると、三段目の引き出しに間宮で使える食券を二枚見つけた。 最近は駆逐艦と話す機会がなくてずいぶんご無沙汰だったが、こういう時はとっておきのこれを使わせてもらおう。 4: ◆wUaztDTmEFSH 2018/03/20(火) 06:53:12.75 ID:7uETQjbS0 「ほら。ここに間宮の食券がある。丁度2枚あるから。」 「ほんと!?それじゃ提督さんと一緒に...」 「時雨でも誘って甘いものを食べに行くといい」 天使の様な笑顔を見せた夕立は、ものの数秒で仏頂面へと変化してしまった。 「夕立は甘い物、好きじゃなかったか?」 「好きだけど...違うの!夕立、提督さんにかまってほしいっぽいー!」 これでは堂々巡りである。 手が離せないから間宮の食券で手を打ってもらおうと思ったのだが、どうやら彼女はお気に召さないらしい。 「頼むよ夕立。今は忙しいんだ」 「やだ!提督さんと遊びたいの!それも今!」 彼女は普段からも余り物の聞き分けが良い方ではなかったが、ここまでするのは珍しい。 続きを読む