転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521448640/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/19(月) 17:37:20.58 ID:7Wj9+WkBO ―――れて――― ―――忘れて――― ―――いていって――― ―――置いていって――― ―――私のことは、私たちのことは――― ―――私たちのことは、もう思い出さなくてもいいから――― ―――かないで――― ―――行かないで――― ――――――いて―――――― ―――一緒にいて――― ―――でももう終わり――――― ―――そっちの世界の私たちのことよろしくね――― 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/19(月) 17:37:48.67 ID:7Wj9+WkBO いつも通りの時間に目をさまし、いつも通りの時間に家を出て、いつも通りの電車に乗り、いつも通りの駅で降りて、いつも通りの時間に“劇場”に到着した。 いつも通りにアイドルのプロデュースを励もうとしていた、『昨日』となんら変わりのない今日……。それは終わっていた……。 んだろうなぁ。 3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/19(月) 17:38:21.02 ID:7Wj9+WkBO 朝、俺はまだ往生際の悪い冬の寒さとの闘いに辛くも勝利し、冷気から身を守るために重ねた毛布の重みの代償に流した汗をシャワーで流し、その後出来合いの味気ない朝食を五分で済ませて家を出た。 昼はだいぶ暖かくなってきたのだが、朝はまだコートが手放せなさそうだ。 ここまではいつも通りであった。 4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/19(月) 17:39:17.33 ID:7Wj9+WkBO 電車を二度乗り換えて、出勤時間の三十分前に“劇場”に俺は到着した。 いつも通りの満員電車で一時間すし詰めであった。 思えばここで小さな違和感はあったのだが、ここでは気づくことはできなかった。 “劇場”に入ると可愛らしい一人の少女が出迎えてくれた。 髪の毛は綺麗な朱色で、背丈は春日さんと同じくらいで、左胸のネームプレートには「青羽」と書かれてあった。 聞き覚えのない名前だった。 社長が新しく連れてきたアイドルだろうか。 続きを読む