転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1411215981/ 1 : ◆sIPDGEqLDE 2014/09/20(土) 21:26:21 ID:F4Twh0qM 「綺麗ね」 大窓から外を見やる、木々が紅く色づき、遠くの山々も紅葉で鮮やかに化粧されていた。 その景観を隣に立つ美希と眺めている 「そうだね、みんな真っ赤なの」 美希の隣に立ちながら、横目で美希の方へ視線を動かす。 目を輝かせながら、美希はその景色を見ていた。 2 : ◆sIPDGEqLDE 2014/09/20(土) 21:27:56 ID:F4Twh0qM 「デコちゃんが急に旅行に行こうなんて言い出した時はビックリしたけど こんなに綺麗な景色が見られて嬉しいって思うな」 その言葉通り嬉しそうにしている美希は窓の外を眺めながらその場でぴょこぴょこ飛び跳ね、喜びを全身で表している。 「さ、そろそろお風呂に入りましょう」 3 : ◆sIPDGEqLDE 2014/09/20(土) 21:29:24 ID:F4Twh0qM 名残惜しいが大窓から移動して風呂場――――と言っても客室露天風呂だが移動する。 脱衣所でお互い衣服を脱ぐ、同い年なのに美希とは身体的に違いがかなりある。 肌も白く、出る所は出て引っ込む所は引っ込んだメリハリの利いた身体。 ……悔しくなんて無い。 服を脱いだ美希が勢い良く扉を開けて露天風呂へと入っていく。 私しかいないからか、身体を隠すこともしていない。 「広~い! でこちゃん、露天風呂おっきいよ!」 身体はいくら大人のそれであっても、中身は歳相応の少女である美希は、恐らく始めてであろう客室露天にそれこそ歳相応にはしゃいでいる。 「でこちゃん、はやく~!」 扉越しに私を急かしてきた。 軽くため息を吐き、美希に倣って身体を隠さず露天風呂へと向かう。 4 : ◆sIPDGEqLDE 2014/09/20(土) 21:30:42 ID:F4Twh0qM 竹垣に左右と天井を囲まれ、正面は鮮やかな紅葉に彩られた山々を望む広々とした空間。 その中央に檜風呂が鎮座していた。 既にその縁に座って山々を眺めている美希。 「綺麗だね~」 視線は紅葉から動かさず、背後の私に同意を求めてきた。 「…」 遠くの山の紅と、近くにある美希の白い肌のコントラストに目を奪われ、返事をすることが出来なかった。 返事がなかった事を訝しみ、そこで美希はやっと私の方へ顔を向ける。 続きを読む